このページは、東京都で建設業許可を「これから取る」ための入口です。建設業許可の取得は、手続の名前から選ぶと必ず迷います。決めるべきことは①そもそも許可が要るのか ②知事許可か大臣許可か ③一般か特定か ④どの業種か ⑤いま許可を持っている会社を引き継ぐのかの5つだけで、この5つが決まれば申請ルートは自動的に決まります。東京都知事許可の手数料は新規9万円・業種追加5万円、標準処理期間は受付後25日(土日祝日等の閉庁日を除く)、提出先は都庁第二本庁舎3階南側の1番窓口です。以下、令和7年度の東京都の手引の該当ページと条文に当たって確認した数字だけを並べます。
| 許可が必要になる工事 | 建築一式工事以外:1件の請負代金500万円以上(税込)/建築一式工事:1件の請負代金1,500万円以上(税込)、または木造住宅で延べ面積150㎡以上 |
|---|---|
| 根拠条文 | 建設業法第3条(許可・有効期間)、第7条(一般の許可基準)、第8条(欠格要件)、第15条(特定の許可基準)、第17条の2・第17条の3(事業承継・相続の認可)、同法施行令第1条の2(軽微な建設工事)・第2条(特定が必要な下請代金)、同法施行規則第7条第2号(社会保険) |
| 申請ルート | ①新規許可 ②業種追加 ③知事許可・大臣許可(許可換え新規) ④一般・特定(般特新規) ⑤事業承継・組織再編の認可 |
| 許可の種類 | 営業所が東京都内のみ→東京都知事許可/2以上の都道府県→国土交通大臣許可。判断基準は工事現場の場所ではありません |
| 一般・特定の分かれ目 | 元請として締結する下請契約の総額が5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上・税込)なら特定建設業(令和7年2月1日施行) |
| 業種の数 | 29業種(土木一式・建築一式の2業種+専門工事27業種/建設業法別表第一) |
| 許可の要件 | 6つ:常勤役員等(経管)/営業所技術者等(専技)/誠実性/財産的基礎/欠格要件に該当しない/社会保険への加入 |
| 提出先 | 東京都都市整備局 市街地建築部 建設業課(〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 都庁第二本庁舎3階南側) |
| 提出窓口 | 1番窓口(新規・許可換え新規・般特新規・業種追加・承継等の認可申請・許可要件にかかる変更届)/2番窓口(更新・決算報告)/3番窓口(経営事項審査) |
| 受付時間 | 午前9時〜午後5時(申請は午前9時〜午後4時)。手数料の納入が必要な申請は午後4時までに発券機で番号札を取る必要があります |
| 法定手数料(知事許可) | 新規・許可換え新規・般特新規:9万円/業種追加・更新:各5万円。組合せは加算(例:一般+特定の同時新規=18万円、業種追加+更新=10万円) |
| 法定手数料(大臣許可) | 新規は登録免許税15万円、更新・業種追加は手数料5万円 |
| 手数料の納め方 | 窓口:現金またはキャッシュレス決済/郵送:現金書留またはPay-easy対応の納入通知書。取下げても還付されません |
| 提出部数 | 正本・副本・電算入力用紙 各1部 |
| 標準処理期間 | 許可申請書の受付後25日(土日祝日等の閉庁日を除く/窓口事務に係る標準処理期間に関する要綱)。書類収集の期間と補正の期間は含みません |
| 許可の有効期間 | 5年間。許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日で満了します |
| 許可通知書 | 主たる営業所へ「転送不要」で郵送。窓口交付はありません。届かない場合は営業所調査を行い、許可をしないことがあります。再交付は不可(代わりに建設業許可証明書 1通400円) |
| 事業承継の認可 | 事前認可の受付は承継予定日の閉庁日を含まない前日の2か月前から25日前まで。相続は死亡後30日以内。認可手続に手数料は発生しません |
| 電子申請 | JCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)で可能。事前にGビズIDの取得が必要です |
| 当事務所の報酬 | 新規(知事・一般1業種)120,000円〜、新規(知事・特定)150,000円〜、一般+特定同時200,000円〜、大臣許可200,000円〜、業種追加50,000円〜、般特新規120,000円〜(いずれも税別・法定手数料別) |
| 依頼から許可までの目安 | 標準的な案件で2〜3か月(書類収集4〜6週間+審査25開庁日)。実務経験10年の立証が必要な場合はさらにかかります |
建設業許可の申請は、次の5つのどれかに必ず収まります。まず下の表で当てはまるものを1つ選んでください。複数に当てはまる場合は、同時に申請できます(手数料は加算されます)。
| いまの状況 | 申請区分 | 法定手数料(知事許可) | 詳しいページ |
|---|---|---|---|
| 有効な許可をどの許可行政庁からも受けていない | 新規 | 9万円 | 新規許可 |
| すでに許可があり、請け負う工事の種類を増やしたい | 業種追加 | 5万円 | 業種追加 |
| 他の道府県・大臣の許可から東京都知事許可に移す、または都外に営業所を出す | 許可換え新規 | 9万円 | 知事許可・大臣許可 |
| 一般建設業から特定建設業へ(またはその逆)区分を変えたい | 般・特新規 | 9万円 | 一般・特定建設業 |
| 譲渡・合併・分割・相続で、許可を持つ事業を引き継ぐ | 事業承継等の認可 | 手数料なし | 事業承継・組織再編 |
許可の要否から始まり、6つの要件のうち常勤役員等(経管)と営業所技術者等(専技)を誰にするかで決まります。この2つは「該当する人がいる」だけでは足りず、東京都が求める確認資料でその事実を裏づけられることが条件です。新規許可のページへ/実務の詳細は建設業許可の新規申請|東京都知事許可の6要件・費用・標準処理期間25日
いまの許可でその工事を請け負えるかは、契約書の名称ではなく施工内容で判断します。追加する業種ごとに営業所技術者等が必要で、既存の技術者が兼ねられるかは資格と実務経験の対応次第です。業種追加のページへ/実務の詳細は建設業許可の業種追加|東京都の手数料5万円・標準処理期間25日・郵送の条件
営業所を置く都道府県が2以上になった時点で大臣許可、東京都のみになった時点で東京都知事許可への許可換え新規が必要です。許可換え新規は新規申請と同じ審査で、手数料も9万円です。知事許可・大臣許可のページへ/制度の詳細は建設業許可の種類と区分|大臣・知事許可と一般・特定の違い
基準は元請工事の請負額ではなく、その工事で下請に出す契約金額の合計です。特定建設業は財産的基礎の要件が重く、営業所技術者等も「特定営業所技術者」の資格が必要になります。一般・特定建設業のページへ/技術者要件は特定建設業の「特定営業所技術者」になるための要件
令和2年10月1日から、あらかじめ認可を受ければ許可の空白期間を作らずに承継できる制度があります。ただし東京都の受付は承継予定日の25日前までで、契約日や効力発生日を先に決めてしまうと間に合いません。事業承継・組織再編のページへ
軽微な建設工事とは、建設業の許可がなくても請け負うことができる工事をいいます。建設業法第3条第1項ただし書と同法施行令第1条の2が定めており、これに当たらない工事を許可なく請け負うと無許可営業になります。
| 工事の種類 | 許可が不要な範囲 |
|---|---|
| 建築一式工事以外の建設工事 | 1件の請負代金が500万円未満(消費税込)の工事 |
| 建築一式工事 | 次のいずれかに該当するもの (1) 1件の請負代金が1,500万円未満(消費税込)の工事 (2) 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するもの) |
手引は「消費税込」と明記しています。税抜460万円の工事は、消費税を加えると506万円になり、軽微な建設工事から外れます。見積書を税抜で作っている会社ほど、この判定を誤ります。
1つの工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額で判定します。工事現場や工期が明らかに別であるなど、正当な理由に基づく場合だけが例外です(手引P1)。
「500万円を超えないように2本に分ければよい」という説明は誤りです。正当な理由のない分割発注は、そのまま無許可営業に直結します。建設業法第47条第1項第1号により、無許可で軽微な建設工事以外の工事を請け負った者は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(法人には1億円以下の罰金/同法第53条第1号)の対象です。詳しくは建設業許可の500万円に抜け道はある?分割発注の危険と正しい対応で解説しています。
注文者が材料を提供する場合は、その材料の市場価格(運送費がかかるときは市場価格+運送費)を請負代金の額に加えた額で判定します(手引P1)。施主支給が多いリフォーム工事や設備工事では、請負金額だけを見ていると判定を誤ります。
材料を売るだけのつもりでも許可が要ることがあります。材料の提供・販売を行う商社やメーカーが、発注者に対して材料の提供・販売だけでなくその建設工事まで請け負う場合は、建設業を営む者と解されます。その工事が軽微な建設工事に当たらないときは、建設業許可と建設業法が求める施工体制が必要です(手引P9)。
| 区分 | 判断基準 |
|---|---|
| 国土交通大臣許可 | 2以上の都道府県に営業所がある場合 |
| 東京都知事許可 | 東京都内のみに営業所がある場合 |
東京都知事許可を受けた建設業者は、東京都内の本支店でのみ営業活動を行うことができます。そしてこの本支店で締結した契約に基づく工事は、営業所のない他の道府県でも施工できます。「東京都知事許可だから東京都内の工事しかできない」というのは誤りです。
ここが他のサイトでほとんど書かれていない例外です。軽微な建設工事(500万円未満等)については、その業種の東京都知事許可を持っていない場合は他の道府県の本支店で契約できます。しかし、その業種の許可を持っている許可業者が他の道府県の本支店で契約をする場合は、軽微な建設工事であっても国土交通大臣許可が必要になります(手引P2)。都外に「契約もする」拠点を置くなら、金額の大小にかかわらず許可換えの検討が必要です。
大臣許可・知事許可の判断も、営業所技術者等の配置も、すべて「建設業法上の営業所」が前提です。東京都は次の条件を挙げています(手引P7〜P8)。
都営住宅・UR賃貸住宅などの公的賃貸住宅は、原則として営業所として認められません(手引P7)。また、営業所の実態が申請書上で把握できない場合や、受付後に要件を満たしているか不明な場合には、立入調査が行われることがあります。テレワークを活用する場合でも営業所の要件は変わらず、常勤役員等(経管)や営業所技術者等(専技)には、営業所に常勤している場合と同様に業務が行える環境であること、社会通念上営業所に通勤可能な距離であることなどが求められます。営業所の詳細は建設業許可の営業所要件とは?自宅・賃貸・バーチャルオフィスの注意点をご覧ください。
| 許可の区分 | 元請として下請に出せる金額 |
|---|---|
| 特定建設業 | 制限なし |
| 一般建設業 | 5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)。複数の下請業者に出す場合はその合計額 または、工事のすべてを自社で施工する |
判断の順序は次のとおりです。
契約変更で基準を超えるときは、変更契約を結ぶ前に特定へ切り替えなければなりません。手引P9は「当初下請契約の合計金額が契約変更後に5,000万円(建築一式工事は8,000万円)を超えてしまう場合は、変更契約が締結される前に特定建設業の許可へ切り替えなければなりません」と明記しています。般特新規は新規と同じ審査で、標準処理期間も受付後25開庁日です。着工後に気づいても間に合いません。
「4,500万円」という数字が残っている場面もあります。令和7年2月1日施行の政令改正(令和6年12月11日政令第366号)が引き上げたのは、施行令第2条の特定建設業が必要となる下請代金の額と、施行令第5条の4の建築一式工事の額です。特定建設業の営業所技術者等に求められる「指導監督的実務経験」の対象工事の請負代金額(施行令第5条の3)は4,500万円のままで、改正されていません。ここを一緒に引き上げて説明している解説が少なくありません。
工事現場に置く技術者の話とは別です。特定建設業の元請が下請に総額5,000万円(建築一式は8,000万円)以上で発注する場合、その現場には主任技術者ではなく監理技術者を置く必要があります(建設業法第26条第2項)。営業所に置く「営業所技術者等」と現場に置く「監理技術者・主任技術者」は別の制度です。詳しくは監理技術者とは|下請5,000万円からの配置義務と資格・専任・兼任をご覧ください。
建設業許可の要件は6つです。「該当する人がいる」ことと「東京都の窓口でそれを資料で示せる」ことは別問題で、実務でつまずくのは後者です。
| 要件 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| ①常勤役員等(経管) | 建設業の経営業務の管理を適正に行うに足りる体制を有すること。原則として、常勤役員等のうち1人が建設業の経営業務の管理責任者としての経験を5年以上有していること | 法第7条第1号、規則第7条第1号 |
| ②営業所技術者等(専技) | すべての営業所に、許可を受ける業種ごとの技術者を専任の者として常勤させること。資格、指定学科卒業+実務経験(3年または5年)、実務経験10年のいずれかで証明します | 法第7条第2号、第15条第2号 |
| ③誠実性 | 法人・役員等・令3条の使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと | 法第7条第3号 |
| ④財産的基礎 | 一般建設業と特定建設業で基準が異なります(次章) | 法第7条第4号、第15条第3号 |
| ⑤欠格要件に該当しない | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、許可取消しから5年を経過しない者、一定の刑に処せられ刑の執行を終わってから5年を経過しない者、暴力団員等がその事業活動を支配する者など | 法第8条 |
| ⑥社会保険への加入 | 適用事業所に該当するすべての営業所について、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届書を提出していること | 法第7条第1号、規則第7条第2号 |
令和6年の建設業法改正により、令和6年12月13日から「専任技術者」は「営業所技術者」(特定建設業では「特定営業所技術者」)に名称が変わりました。東京都の令和7年度の手引も「営業所技術者等(旧:専任技術者)」と表記しています。令和7年2月1日施行なのは施行令の金額基準の改正で、名称変更とは施行日が異なります。この2つを混同している記事が多いのでご注意ください。
令和8年7月1日から、東京都の常勤性の確認書類の取り扱いが変わりました。常勤役員等(経管)と営業所技術者等(専技)の常勤性は、①申請者への所属を証明する資料と②本人の生年月日を確認できる資料の2階建てで示す方式になりました。法人の場合は①が原則で、①に生年月日の記載がなければ②を追加します。個人事業主の場合は②が必須です。健康保険証の写し1枚で済ませていた運用は使えません。詳しくは常勤性の確認書類の取り扱い変更|東京都・令和8年7月1日以降の必要書類で、法人の①12種類と個人の②3択まで整理しています。
5年の経営経験は「役員だった」という記憶ではなく、登記事項証明書(役員としての在任期間)と、その期間に建設業を営んでいたことを示す資料(工事請負契約書、注文書、請求書と入金記録など)の両方で示します。個人事業主としての経験は確定申告書と契約資料で示します。経営業務の管理責任者の要件|常勤役員等の経験年数と常勤性の証明で詳しく解説しています。
資格で証明できれば最短です。資格がない場合は実務経験10年(120か月)を、契約書・注文書・請求書などで月単位で連続して示します。指定学科を卒業していれば3年または5年に短縮されます。詳しくは一般建設業の営業所技術者|10年実務経験の証明方法、資格の一覧は建設業許可の資格者とは|営業所技術者になれる国家資格と営業所技術者の資格×業種検索をご覧ください。
| 区分 | 基準 |
|---|---|
| 一般建設業 (いずれかに該当) | ①自己資本の額が500万円以上あること ②500万円以上の資金調達能力があること(申請者名義の口座について、取引金融機関発行の預金残高証明書または融資証明書で判断) ③直前5年間、東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があること |
| 特定建設業 (すべてに該当) | ①欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと ②流動比率が75%以上であること ③資本金の額が2,000万円以上あること ④自己資本の額が4,000万円以上あること |
「自己資本」と「預金残高証明書」は別物です。自己資本は、法人では申請時直前の確定した貸借対照表の「純資産の部」の「純資産合計」の額をいいます。これが500万円に届かない場合に、代わりに使えるのが②の資金調達能力(500万円以上の残高証明書または融資証明書)です。特定建設業の④自己資本4,000万円以上は貸借対照表で判定するのが原則で、残高証明書で代えられるのは個人で決算期が未到来の場合だけです(手引P9)。
東京都都市整備局 市街地建築部 建設業課(〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 都庁第二本庁舎3階南側/代表 03-5321-1111)。窓口は用件で分かれています。
| 窓口 | 受け付ける内容 |
|---|---|
| 1番窓口 | 新規申請・許可換え新規申請・般特新規申請・業種追加申請/一部廃業届/承継等の認可申請/許可要件にかかる変更届(常勤役員等(経管)、営業所技術者等(専技)、令3条の使用人等)/解体工事業者の新規登録・更新登録・変更届 |
| 2番窓口 | 更新申請/決算報告/許可要件に係らない変更届/全部廃業届 |
| 3番窓口 | 経営事項審査/住宅瑕疵担保 |
| 相談コーナー | 建設業許可、経営事項審査、解体工事業者登録等および住宅瑕疵担保履行法に基づく届出に係る相談や予備調査等 |
このページで扱う5つのルートは、更新以外すべて1番窓口です。事業承継の認可申請も1番窓口で受け付けます。
受付時間は午前9時〜午後5時ですが、申請は午前9時〜午後4時です。さらに、新規申請・業種追加申請・般特新規申請・更新申請など手数料の納入が必要な申請については、午後4時までに発券機で番号札を発券する必要があります(申請の再来を含む/手引P12)。午後4時に都庁に着いたのでは間に合いません。
| 申請区分 | 手数料 |
|---|---|
| 新規、許可換え新規、般・特新規 | 9万円 |
| 業種追加、更新 | 5万円 |
組合せや一般・特定の別により加算されます。手引が挙げている例は次のとおりです。
納入方法は、窓口受付なら現金またはキャッシュレス決済(利用可能ブランドは東京都のHPで確認)、郵送受付なら現金書留またはPay-easy対応の納入通知書です。国土交通大臣許可の新規申請は手数料ではなく登録免許税15万円で、更新・業種追加は手数料5万円です。
受付後に取り下げても、納付した手数料は還付されません(手引P15)。要件を満たしているかどうかの見立てが甘いまま申請すると、9万円がそのまま消えます。相談コーナーでの予備調査、または専門家による事前診断を先に済ませるのが合理的です。
標準処理期間は許可申請書の受付後25日(土日祝日等の閉庁日を除く)です(窓口事務に係る標準処理期間に関する要綱/手引P15)。この25日には、申請前の書類収集の期間も、受付後に補正を求められた場合の対応期間も含まれません。暦日では約5週間、書類収集から数えれば2〜3か月を見ておくのが実務的です。
許可の有効期間は5年間で、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって満了します(法第3条第3項)。引き続き営むには更新が必要で、更新申請は満了日の30日前までに提出します。更新については東京都の建設業許可を守ると建設業許可の更新申請|東京都の期限・必要書類・手数料をご覧ください。
許可通知書は主たる営業所へ「転送不要」で郵送されます。窓口交付は行っていません。これは営業所の所在確認を兼ねており、万が一許可通知書が届かない場合は営業所調査を行い、許可をしないことがあります(手引P15)。実体のないバーチャルオフィスや、表札・看板のない自宅を営業所にした申請は、最後のこの段階で止まります。許可通知書は再交付できませんので、紛失した場合は建設業許可証明書(1通400円)を使います。
令和2年10月1日から、建設業許可に関する事業承継および相続の認可制度が新設されました(建設業法第17条の2・第17条の3)。それ以前は、譲渡・合併・分割を行うと、譲渡人等の許可は廃業となり、新たに新規申請をやり直す必要があり、その間500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の建設業を営めない空白期間が生じていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡・合併・分割 | あらかじめ認可を受ける(事前認可) |
| 相続 | 被相続人の死亡後30日以内に認可を申請する(事前ではありません) |
| 事前認可の受付期間 | 承継予定日の閉庁日を含まない前日の2か月前から25日前まで |
| 承継予定日の条件 | 承継者・被承継者それぞれの許可の有効期間が満了する日の30日前よりも前の日であることを原則とします |
| 処理期間 | 申請日と承継予定日の間に開庁日が25日必要 |
| 手数料 | 認可手続において手数料は発生しません |
| 提出部数・窓口 | 正本・副本・電算入力用紙 各1部/1番窓口 |
| 様式 | 譲渡=様式第二十二号の五/合併=様式第二十二号の七/分割=様式第二十二号の八/相続=様式第二十二号の十 |
| 承継されるもの | 建設業者としての地位。被承継人が受けた監督処分や経営事項審査の結果も当然に承継されます |
| 承継されないもの | 建設業法第45条から第55条までの罰則。違反行為を行った法人(個人)そのものに課されるため、承継人には引き継がれません |
「事前相談を必ず先に」というのが東京都の指示です。手引は「事前相談には十分に時間を取っていただくようお願いします」「必ず承継方法等書類を確定する前に御相談ください」としています。譲渡契約書の締結日や効力発生日を先に決めてしまうと、25日前の締切に間に合わず、承継日そのものを動かすことになります。M&Aや法人成りのスケジュールを組む前に、この期日を先に押さえてください。
個人事業主の法人成りにも認可制度が使えます。法人設立と同時に事業承継する場合は、定款に記載する「発起人」との事業譲渡契約が必要です。事業承継日には必ず法人が設立されていること、事業承継日が社会保険等の資格取得日および事業開始(見込み)日となっていることなど、承継される側の許可要件が途切れないよう注意が必要です。法人設立を先に行った場合でも、事業開始(見込み)日と各種制度の資格取得日は事業承継日としてください(手引P113)。
相続で認可を申請すると、処分が出るまでの間は許可を受けたものとみなされます。ただし申請できるのは死亡後30日以内で、相続しない場合や全業種の承継が不可能な場合は、全部廃業届の提出が必要です(手引P113)。合併に伴う営業所技術者等の重複や退職の論点は建設業の合併で許可はどうなる?営業所技術者退職と事業承継の論点で扱っています。
| 申請区分 | 当事務所報酬 | 法定手数料 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 新規(知事・一般・1業種) | 120,000円〜 | 90,000円 | 210,000円〜 |
| 新規(知事・特定) | 150,000円〜 | 90,000円 | 240,000円〜 |
| 新規(一般+特定 同時) | 200,000円〜 | 180,000円 | 380,000円〜 |
| 新規(大臣許可) | 200,000円〜 | 150,000円(登録免許税) | 350,000円〜 |
| 業種追加 | 50,000円〜(2業種目以降 +5,000円/業種) | 50,000円 | 100,000円〜 |
| 般特新規(一般⇔特定の区分変更) | 120,000円〜 | 90,000円 | 210,000円〜 |
| 事業承継等の認可 | 別途お見積り | なし | — |
報酬額の全体は料金案内に、概算の自動計算は建設業許可の費用シミュレーターにあります。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1. ルート判定 | 受注予定の工事、元請か下請か、営業所の計画から、5つのルートのどれに当たるかと必要な業種を決めます | 初回相談(無料) |
| 2. 要件診断と証明設計 | 常勤役員等(経管)・営業所技術者等(専技)を誰にするか決め、「誰の・どの経験を・何で証明するか」を一覧化します。財産的基礎と社会保険の状況もここで確認します | 1〜2週間 |
| 3. 書類の収集・作成 | 登記事項証明書、身分証明書、登記されていないことの証明書、納税証明書、契約資料等を集め、申請書一式(正本・副本・電算入力用紙 各1部)を作成します | 4〜6週間 |
| 4. 窓口審査・手数料納入・受付 | 1番窓口で窓口審査を受け、手数料9万円を納入して受付。受付年月日・受付番号を押印した副本が返却されます。番号札は午後4時まで | 当日 |
| 5. 本審査・補正 | 内部の本審査。疑義があれば確認書類や補正資料を求められ、営業所調査が行われることもあります | 受付後25開庁日 |
| 6. 許可通知書の受領 | 主たる営業所へ「転送不要」で郵送。受領後、許可票(金看板)の掲示、決算報告の年間管理へ | — |
許可を取った後にすることは東京都の建設業許可を守るにまとめています。看板の規格は建設業許可の看板(標識)|サイズ・記載事項・掲示義務と罰則を、電子申請は建設業許可の電子申請(JCIP)|GビズIDの取得から申請までの手順をご覧ください。
| つまずき | どうなるか | 対処 |
|---|---|---|
| 常勤性の資料が旧方式のまま | 令和8年7月1日以降は健康保険証の写し1枚では足りず、補正になります | ①所属を証明する資料+②生年月日を確認できる資料の2階建てで用意(詳細) |
| 10年の実務経験に月の空白がある | 期間が通算されず、営業所技術者等になれません | 契約書・注文書・請求書と入金記録で月単位の連続性を先に確認 |
| 営業所が住居専用契約・公的賃貸住宅 | 使用権原の要件を満たさず、原則として認められません | 事務所使用可の契約への変更、または用途変更の承諾書を取得 |
| 看板・表札がない | 外部から営業所と分かる表示がなく、立入調査で指摘されます | 受付前に表示を設置。許可後は許可票(金看板)も必要 |
| 許可通知書が届かない | 営業所調査が行われ、許可をしないことがあります | 主たる営業所の表札・郵便受けの名義を申請前に確認(「転送不要」で送られます) |
| 社会保険の適用手続が未了 | 要件を満たさず受理されません | 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届出を先に済ませる |
| 下請総額が変更契約で5,000万円超に | 変更契約前に特定へ切り替えないと違反になります | 般特新規は受付後25開庁日。増額が見えた時点で着手 |
| 承継日を先に決めてしまった | 25日前の受付締切に間に合いません | 契約日・効力発生日を決める前に東京都へ事前相談 |
| 午後4時に都庁へ到着 | 手数料納入が必要な申請は番号札が取れず、その日は受け付けられません | 午後3時台には到着する |
Q1建設業許可はいくらで取れますか。
A1東京都知事許可の新規申請は、法定手数料が9万円です。行政書士に依頼する場合は報酬が加わり、当事務所では一般・1業種で120,000円(税別)からですので、合計210,000円からが目安です。このほかに登記事項証明書などの取得実費が数千円かかります。国土交通大臣許可の新規申請は、手数料ではなく登録免許税15万円です。
Q2申請してからどれくらいで許可が下りますか。
A2東京都知事許可の標準処理期間は、許可申請書の受付後25日(土日祝日等の閉庁日を除く)です。暦日では約5週間になります。この25日には、申請前の書類収集の期間も、受付後に補正を求められた場合の対応期間も含まれません。書類収集から数えると、標準的な案件で2〜3か月を見ておいてください。
Q3500万円未満の工事しかしませんが、許可は要りますか。
A3建築一式工事以外の建設工事で、1件の請負代金が500万円未満(消費税込)であれば、軽微な建設工事として許可なく請け負えます。ただし判定には3つの注意点があります。第1に税込で判定すること、第2に1つの工事を2以上の契約に分割したときは合計額で判定すること、第3に注文者が材料を提供する場合はその市場価格(運送費がかかるときは市場価格と運送費)を加えた額で判定することです。建築一式工事は1,500万円未満(消費税込)、または請負代金にかかわらず木造住宅で延べ面積150㎡未満が軽微な建設工事です。
Q4東京都知事許可で東京都以外の工事もできますか。
A4できます。知事許可と大臣許可の区分は工事現場の場所ではなく、建設業を営む営業所を置く都道府県の数で決まります。東京都知事許可の業者は、東京都内の本支店で締結した契約に基づく工事を、営業所のない他の道府県でも施工できます。ただし例外があり、その業種の許可を持っている許可業者が他の道府県の本支店で契約をする場合は、軽微な建設工事であっても国土交通大臣許可が必要になります。都外に契約行為をする拠点を置く場合は、金額にかかわらず許可換えの検討が必要です。
Q5一般建設業と特定建設業はどちらを取ればよいですか。
A5発注者から直接請け負った工事について、下請に出す契約金額の合計が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上になる場合に特定建設業が必要です。いずれも消費税込みで、複数の下請に出すときは合計額で判定します。令和7年2月1日施行の政令改正で、それぞれ4,500万円と7,000万円から引き上げられました。下請として工事を請け負う場合は、金額にかかわらず一般建設業で足ります。
Q6工事の途中で下請の総額が5,000万円を超えそうです。
A6当初の下請契約の合計金額が契約変更後に5,000万円(建築一式工事は8,000万円)を超えてしまう場合は、変更契約が締結される前に特定建設業の許可へ切り替えなければなりません。般特新規は新規申請と同じ審査で、標準処理期間も受付後25開庁日です。増額の見込みが出た時点でご相談ください。
Q7許可の要件はいくつありますか。
A76つです。常勤役員等(経管)、営業所技術者等(専技)、誠実性、財産的基礎、欠格要件に該当しないこと、社会保険への加入です。社会保険への加入は令和2年10月1日から要件になりました(建設業法第7条第1号、同法施行規則第7条第2号)。なお令和6年12月13日から、専任技術者は営業所技術者(特定建設業では特定営業所技術者)に名称が変わっています。
Q8自己資本が500万円ありません。許可は取れませんか。
A8一般建設業の財産的基礎は、①自己資本500万円以上、②500万円以上の資金調達能力、③直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績、のいずれかに該当すれば足ります。②は申請者名義(法人なら法人名義)の口座について、取引金融機関が発行した500万円以上の預金残高証明書または融資証明書で判断されます。証明日から有効期間がありますので、申請時期に合わせて取得してください。
Q9自宅を営業所にできますか。
A9要件を満たせば可能です。居住部分と明確に区分されたスペースがあり、電話・机・事務台帳等を備え、営業用事務所としての使用権原があり、外部から建設業の営業所と分かる看板や標識の表示が必要です。ただし住居専用契約は原則として認められず、都営住宅やUR賃貸住宅などの公的賃貸住宅も原則として営業所として認められません。営業所の実態が確認できない場合は立入調査が行われることがあります。
Q10常勤性の証明資料は何を出せばよいですか。
A10令和8年7月1日から東京都の取り扱いが変わり、①申請者への所属を証明する資料と、②本人の生年月日を確認できる資料の2階建てになりました。法人の場合は①が原則で、①に生年月日の記載がなければ②を追加します。個人事業主の場合は②が必須です。健康保険証の写し1枚で済ませていた運用は使えません。①として使える資料は12種類あり、実物に生年月日が印字されているかどうかで②の要否が決まります。
Q11申請はどこの窓口に出しますか。
A11東京都都市整備局市街地建築部建設業課の1番窓口です(〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 都庁第二本庁舎3階南側)。新規申請、許可換え新規申請、般特新規申請、業種追加申請、承継等の認可申請、許可要件にかかる変更届が1番窓口です。更新申請と決算報告は2番窓口、経営事項審査は3番窓口です。受付時間は午前9時から午後5時までですが、申請は午後4時までで、手数料の納入が必要な申請は午後4時までに発券機で番号札を取る必要があります。
Q12申請を取り下げたら手数料は返ってきますか。
A12返ってきません。東京都の手引は、許可申請の取下げについて「納付された手数料は、還付しません」と明記しています。取下げには許可申請の取下げ願を正副作成し、受付済みの副本一式と合わせて窓口に持参します。申請者の意思による提出であることを確認するため、法人は印鑑証明書(発行後3か月以内)、個人事業主は運転免許証の写しまたは印鑑証明書の提出を求められます。
Q13許可通知書はいつ、どこに届きますか。
A13許可後に主たる営業所へ郵送されます。窓口交付は行っていません。営業所の所在確認のため「転送不要」で送られるため、届かない場合は営業所調査が行われ、許可をしないことがあります。表札や郵便受けの名義を申請前に確認してください。許可通知書は再交付できませんので、紛失した場合は建設業許可証明書(1通400円)を利用します。
Q14会社を譲り受けます。許可はどうなりますか。
A14建設業法第17条の2により、あらかじめ認可を受ければ、許可の空白期間を作らずに建設業者としての地位を承継できます。東京都では、事前認可申請の受付は承継予定日の閉庁日を含まない前日の2か月前から25日前までで、申請日と承継予定日の間に開庁日が25日必要です。承継予定日は、承継者と被承継者それぞれの許可の有効期間が満了する日の30日前よりも前の日であることが原則です。認可手続に手数料は発生しません。承継すると被承継人が受けた監督処分や経営事項審査の結果も引き継ぎますが、罰則は引き継ぎません。
Q15個人事業主が亡くなりました。息子が事業を続けられますか。
A15建設業法第17条の3の相続の認可を受ければ続けられます。ただし申請できるのは被相続人の死亡後30日以内です。譲渡・合併・分割と違い、相続だけは事前ではなく事後の申請になります。認可申請をすると、認可または拒否の処分がされるまでの間は許可を受けたものとみなされます。相続しない場合や、全業種の承継が不可能な場合は全部廃業届の提出が必要です。他に相続人がいる場合は、建設業許可の承継についての同意書が必要になります。
Q16資料がそろっていない段階でも相談できますか。
A16できます。初回相談は無料です。分かる範囲で経歴と保有資料をお聞きし、要件に届いているか、届いていない場合に何を集めれば届くか、代替資料が使えるかを整理してお伝えします。要件を満たさないまま申請すると、納めた9万円は還付されません。着手前の見立てにこそ意味があります。
初回相談は無料です。受注予定の工事と営業所の計画をお聞きして、必要な許可区分・業種と、いま足りない証明資料を一覧にしてお返しします。東京都世田谷区の特定行政書士が対応します。
☎ 03-6783-6727(平日 9:00〜18:00)
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萩本 昌史(はぎもと まさし)/特定行政書士/行政書士萩本昌史事務所 代表/日本行政書士会連合会 登録番号 24080582/東京都行政書士会所属
建設業許可・経営事項審査を中心に、消防法・防火管理、外国人の在留資格申請まで対応しています。東京都の建設業許可については、新規取得から業種追加・許可換え・般特新規・事業承継の認可まで扱ってきました。このページの記述は、令和7年度の東京都の手引の該当ページと条文に当たって確認したものだけを書いています。執筆者プロフィール/編集方針/一次資料の取扱いと訂正方針
※このページは一般的な情報提供を目的としたものです。個別の事案については、東京都都市整備局建設業課または当事務所にご確認ください。制度・運用は変更されることがあります。