

経営事項審査(経審)は、国や地方公共団体などが発注する公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です(建設業法第27条の23第1項)。経営状況・経営規模・技術力・その他の審査項目を点数化し、最終的に総合評定値(P点)が出ます。このページでは、令和8年7月1日から適用されている新しい審査基準と、東京都知事許可業者が実際に都庁で審査を受けるための手順を、予約の取り方・当日の持ち物・手数料の納め方・標準処理期間まで、東京都の説明書に書かれているとおりに並べました。
| 根拠条文 | 建設業法第27条の23(経営事項審査)/第27条の24(経営状況分析)/第27条の26(経営規模等評価)/第27条の29(総合評定値の通知)/同法施行令第27条の13/同法施行規則第18条の2・第18条の3 |
|---|---|
| 受けなければならない人 | 国・地方公共団体等が発注する1件500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の建設工事を、発注者から直接請け負おうとする建設業者 |
| 審査機関 | 東京都知事許可業者=東京都知事(都市整備局市街地建築部建設業課)/国土交通大臣許可業者=国土交通大臣(都内に主たる営業所があれば関東地方整備局)。経営状況分析(Y)だけは登録経営状況分析機関 |
| 審査の場所 | 都庁第二本庁舎3階 建設業課内 |
| 予約 | 予約システムのみ(令和7年5月1日以降)。窓口・電話・予約申込票は不可。毎月1日0時に2か月後の月が開放。月曜審査は前週金曜17時締切。決算変更届の提出前でも予約可 |
| 手数料 | 経営規模等評価+総合評定値請求=8,500円+業種数×2,500円(1業種11,000円/2業種13,500円)。経営規模等評価のみ=8,100円+業種数×2,300円。総合評定値のみ=400円+業種数×200円 |
| 納付方法 | 窓口=審査終了後に現金/電子申請=Pay-easy(ペイジー)のみ |
| 標準処理期間 | 22日(閉庁日を含まない。東京都知事許可業者の結果通知書交付まで) |
| 結果通知書 | 再発行不可。経営規模等評価結果通知書と総合評定値通知書が郵送される |
| 「1年7か月」の意味 | 公共工事の請負契約を締結する日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了の日(審査基準日)以降に結果通知書の交付を受けていること(規則第18条の2) |
| 審査基準日 | 申請日(審査が終了し申請書が受理された日)の直前の決算日。新しい決算日を迎えた後は、前の期の基準日では申請できない |
| 電子申請 | JCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)。東京都は令和5年10月23日開始。GビズID必須 |
| 代理できる人 | 行政書士(その補助者を含む)と弁護士に限られます。委任状を添付し、申請者欄に申請者と代理人を併記 |
| 前提となる手続 | 審査対象事業年度の決算変更届(決算報告)の提出(事業年度終了後4か月以内・建設業法第11条第2項)と、経営状況分析結果通知書の取得 |
| P点の算式 | P=0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×W |
| 令和8年7月1日改正 | 社会保険3項目を審査項目から削除/就業履歴蓄積15点→10点・10点→5点/自主宣言制度5点を新設/建設機械を11機種に拡大(東京都は別紙3が新様式) |
| 虚偽申請 | 監督処分=営業停止30日以上/罰則=6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(法第50条第1項第4号)、法人にも同額の罰金(法第53条) |
| 当事務所の報酬 | 経営事項審査(1業種)120,000円(税別)から/2業種目以降+10,000円/決算変更届とのセット160,000円から/入札参加資格申請とのセット140,000円から |
経営事項審査は、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が、あらかじめ受けておかなければならない審査です。建設業法第27条の23第1項が根拠で、東京都知事許可業者は東京都知事が、国土交通大臣許可業者は国土交通大臣が審査します。
対象となる工事(建設業法施行令第27条の13)
国、地方公共団体、法人税法別表第一に掲げる公共法人(独立行政法人・国立大学法人・地方住宅供給公社など)、またはこれらに準ずるものとして国土交通省令で定める法人が発注者であり、工事1件の請負代金の額が500万円以上(当該工事が建築一式工事である場合は1,500万円以上)の建設工事。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加する建設業者について資格審査を行い、点数化して等級(ランク)を付けます。このとき使われるのが、
つまり、経審のP点が高くても、それだけで上位等級に格付けされるとは限りません。東京都の工事等競争入札参加資格でいえば、格付けは経審のP点(客観点)に主観点を加えて決まります。経審は「入札参加資格の土台」であって、ゴールではないという理解が正確です。
経審を受ける業種は、建設業許可を持っている業種に限られます。さらに東京都の説明書は、申請時に許可を持っていても、結果通知書の交付時点で廃業等により許可がなくなっている場合は、結果通知書を交付できないとしています。審査から通知までの約1か月の間に許可を失わないよう注意してください。
経審の最終的な成果物が総合評定値(P点)です。5つの評点を、次のウエイトで加重平均して算出します。
P = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W
| 記号 | 評価するもの | ウエイト | 審査する機関 |
|---|---|---|---|
| X1 | 工事種類別の年間平均完成工事高 | 25% | 東京都(許可行政庁) |
| X2 | 自己資本額および平均利益額 | 15% | 東京都(許可行政庁) |
| Y | 経営状況(財務8指標) | 20% | 登録経営状況分析機関 |
| Z | 技術力(技術職員数・元請完成工事高) | 25% | 東京都(許可行政庁) |
| W | その他の審査項目(社会性等) | 15% | 東京都(許可行政庁) |
P点は業種ごとに出ます。「うちのP点は何点」という言い方をしますが、正確には審査を受けた業種ごとに、それぞれのP点が算出されます。X1とZ2(元請完成工事高)が業種別だからです。Y・X2・Wは全業種共通の値になります。
直前2年または3年の年間平均完成工事高を業種別に評価します。ここで重要なのは、次の3点です。
「売上が大きい年を入れたいから3年平均」という単純な判断は危険です。X1のウエイトは25%、Zのウエイトも25%で、Zのうち元請完成工事高(Z2)は2割を占めます。片方だけ見て決めると、もう片方で失点します。両方を計算して合計P点を比較するのが正しい手順です。当事務所では、決算が固まった段階で両パターンのシミュレーションをお出ししています。
ある業種の完成工事高を、その工事内容に応じて他の業種の完成工事高に積み上げて申請できる場合があります。たとえば、とび・土工・コンクリート工事の完成工事高を土木一式工事に積み上げる、といった扱いです。ただし積み上げた元の業種では、その分の完成工事高は評価されません(両取りはできません)。どの業種で入札を取りにいくのかを決めてから積上げを設計するのが実務です。
X2は次の2つを評価します。
X2は増資、利益剰余金の積み増し、減価償却の適正計上で動きます。とくに減価償却実施額は平均利益額に加算されるため、償却を適正に行っていない会社は、ここで取りこぼしていることがあります。
Yだけは東京都ではなく、国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析機関」が分析します。分析機関は申請者が自由に選べます。
経営状況評点Y = 167.3 × A + 583(A=経営状況点数。Yの上限は1,595点、下限は0点)
| 分類 | 指標 | 点数が上がる方向 |
|---|---|---|
| 負債抵抗力 | 純支払利息比率 | 借入金を減らす/金利負担を下げる |
| 負債回転期間 | 負債総額を減らす/売上を伸ばす | |
| 収益性・効率性 | 総資本売上総利益率 | 粗利を確保する/遊休資産を整理する |
| 売上高経常利益率 | 経常利益を厚くする | |
| 財務健全性 | 自己資本対固定資産比率 | 自己資本を厚くする/固定資産を持ちすぎない |
| 自己資本比率 | 増資・利益の内部留保 | |
| 絶対的力量 | 営業キャッシュフロー(絶対値) | 本業で現金を稼ぐ/売掛金の回収を早める |
| 利益剰余金(絶対値) | 配当より内部留保を優先する |
Z = 0.8 × Z1(技術職員数値)+ 0.2 × Z2(元請完成工事高)
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 1級技術者であって、監理技術者資格者証の交付を受け、かつ監理技術者講習を受講している者(1級監理受講者) | 6点 |
| 1級技術者 | 5点 |
| 監理技術者補佐 | 4点 |
| 基幹技能者等 | 3点 |
| 2級技術者 | 2点 |
| その他の技術者 | 1点 |
業種別の元請完成工事高の平均です。平均年数は3章のX1で選んだ年数と同じになります。下請中心の会社はZ2が伸びないため、Z1(技術職員)で稼ぐのが基本戦略になります。
Wは会社の取組みで最も動かしやすい項目です。令和5年1月の改正で、かつての「労働福祉の状況」は「建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況」という名称に変わっています。古い解説記事は今も「労働福祉の状況」と書いていますが、現在の審査項目名ではありません。
W評点 =(W1〜W8の合計点)× 1,750 ÷ 200
| 項目 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| W1 担い手の育成及び確保に関する取組の状況 | 建設業退職金共済制度への加入 | 1点 |
| 退職一時金制度または企業年金制度の導入 | 1点 | |
| 法定外労働災害補償制度への加入 | 1点 | |
| 若年技術職員の継続的な育成および確保 | 最大2点 | |
| 知識および技術または技能の向上に関する取組の状況 | 最大10点 | |
| ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況 | 最大5点 | |
| 就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況(CCUS) | 最大10点(改正前は最大15点) | |
| 建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度の宣言の有無 | 5点(令和8年7月1日新設) | |
| W2 | 建設業の営業継続の状況(営業年数、民事再生・会社更生の有無) | 最大60点 |
| W3 | 防災活動への貢献の状況(防災協定の締結) | 20点 |
| W4 | 法令遵守の状況(減点項目) | 指示処分 ▲15点/営業停止処分 ▲30点 |
| W5 | 建設業の経理の状況(監査の受審状況/公認会計士等の数) | 最大20点+最大10点 |
| W6 | 研究開発の状況(会計監査人を設置している企業のみ) | 最大25点 |
| W7 | 建設機械の保有状況(令和8年7月1日から11機種) | 最大15点 |
| W8 | 国または国際標準化機構が定めた規格による認証・登録の状況(ISO9001・ISO14001・エコアクション21等) | 最大10点 |
令和8年2月6日公布・令和8年7月1日施行の改正(令和8年国土交通省告示第262号、令和8年国不建第177号)により、経審の審査項目と基準が見直されました。令和8年7月1日以降に申請する経審から新基準が適用され、令和8年6月30日以前に申請したものは改正前の基準で審査されます。東京都は「経営事項審査の基準が改正されます(令和8年7月1日以降の審査日時から)」と案内しています。東京都の場合、申請日とは「審査が終了し、申請書が受理された日」ですから、予約した審査日が令和8年7月1日以降なら新基準ということになります。
| 審査項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 雇用保険の加入の有無 | 未加入 ▲40点 | 審査項目から削除 |
| 健康保険の加入の有無 | 未加入 ▲40点 | 審査項目から削除 |
| 厚生年金保険の加入の有無 | 未加入 ▲40点 | 審査項目から削除 |
| 就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況(民間工事を含むすべての建設工事) | 15点 | 10点 |
| 同(すべての公共工事) | 10点 | 5点 |
| 建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度の宣言の有無 | — | 5点(新設) |
| 建設機械の保有状況 | 9機種 | 11機種(不整地運搬車、アスファルト・フィニッシャを追加) |
国土交通省の説明はこうです。令和2年10月1日以降、社会保険への加入が建設業許可の要件になりました。許可の有効期間は5年ですから、令和7年10月1日以降に許可を保有している建設業者は、すでに社会保険加入を満たしていることになります。経審で改めて確認する必要性が乏しくなった、というのが削除の理由です。
これは「社会保険に入らなくてよくなった」という話では、まったくありません。むしろ逆で、社会保険加入は許可の要件として担保済みという前提に立った改正です。未加入なら経審で減点される以前に、建設業許可そのものが維持できません。
経審の実務にとっての意味は別のところにあります。これまでは「減点されない」ことで守れていた点差が、なくなりました。W点で差を付けるには、CPD単位、CCUS技能者のレベルアップ、自主宣言、防災協定、建設機械、ISO認証といった能動的な取組しか残っていません。
建設技能者の処遇改善に取り組む意思を、国土交通省のポータルサイトで宣言する制度です。元請事業者・下請事業者・発注者のいずれの立場でも宣言でき、事業規模や建設業許可の有無を問いません(重複申請は不可)。
これは「今日申し込めば取れる5点」です。費用はかかりません。W点への影響は5点、W評点への換算では5×1,750÷200=43.75点、P点への影響はその15%で約6.6点です。決算日が近い会社は、今すぐ宣言してください。ただし決算日を過ぎてからでは、その期には間に合いません。
令和6年能登半島地震の教訓を踏まえ、地域の防災・復旧に資する機械を評価する方向で拡充されました。追加されたのは不整地運搬車とアスファルト・フィニッシャの2機種で、従来の9機種(ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベル、移動式クレーン、ダンプ車、モーターグレーダー、高所作業車、締固め用機械、解体用機械)とあわせて11機種が対象です。
東京都都市整備局は、令和8年7月1日から別紙3(その他の審査項目・社会性等)が新様式になったと案内しています。古い様式で作った申請書は受理されません。都のホームページから最新の様式をダウンロードしてください。手元に前回の副本があっても、様式をそのまま流用しないでください。
| 順番 | やること | 期限・目安 | 相手 |
|---|---|---|---|
| 0 | 決算(審査基準日) | — | — |
| 1 | 経審の審査日を予約する | 毎月1日0時に2か月後の月が開放。決算変更届の提出前でも予約できます | 東京都(予約システム) |
| 2 | 決算変更届(決算報告)を提出する | 事業年度終了後4か月以内(建設業法第11条第2項) | 東京都 建設業課 審査担当2番窓口 |
| 3 | 経営状況分析(Y)を申請し、結果通知書を受け取る | 機関により数日〜2週間程度 | 登録経営状況分析機関 |
| 4 | 事前確認(該当する場合) | 建設機械6台以上は審査日のおおむね1か月前まで | 東京都 建設業課 建設業指導担当 |
| 5 | 経営規模等評価申請・総合評定値請求(審査当日) | 予約した日時。審査時間は通常15〜20分 | 東京都 建設業課(都庁第二本庁舎3階) |
| 6 | 手数料の納入 | 審査終了後に現金(電子申請はPay-easy) | 手数料受付 |
| 7 | 結果通知書の受領 | 標準処理期間22日(閉庁日を含まない)・郵送 | 東京都 |
| 8 | 入札参加資格申請 | 発注機関ごとの受付期間 | 東京都・特別区・市町村・国 |
東京都で窓口の審査を受ける場合、経営事項審査は予約制です(電子申請なら予約も来庁も不要です)。ここは令和7年5月1日に運用が変わっており、古い解説記事はまだ「電話で予約」と書いています。
| 予約の方法 | 予約システムのみ。窓口・電話・予約申込票による予約は行えません |
|---|---|
| 予約枠が開く日 | 毎月1日の0時に、2か月後の月の予約枠が開放されます |
| 受付締切 | 予約日が月曜日の場合、前の週の金曜日17時が締切 |
| 決算変更届との前後関係 | 決算変更届を提出する前でも予約が取れます(令和7年5月1日以降) |
| 変更・取消し | 建設業課内受付(都庁第二本庁舎3階/電話 03-5321-1111 内線30-691)へできるだけ早く連絡。審査日当日の変更はできません(取消してから取り直し) |
| 審査時間 | 1件あたり通常15分〜20分を想定した予約枠。1時間を超えて終了の見込みが立たないときは、審査を中断して予約を取り直すことがあります |
| 相談コーナー | 都庁第二本庁舎3階の建設業課内。平日9時30分〜11時30分/13時〜16時30分。行政書士である相談員が対応(電話相談も可) |
| 日付 | 変わったこと |
|---|---|
| 令和8年3月11日 | 技術職員名簿に係る資格の確認資料は、窓口申請では「写しの提示のみ」となり、提出が不要になりました。合格証明書等の写し、監理技術者資格者証および裏面の監理技術者講習修了情報の写しも、提示だけで済み、窓口で確認後に返却されます。電子申請の場合は従来どおり、写しの電子データを添付します。 |
| 令和6年9月30日 | 同じ技術職員が前回と同じ資格コードで申請する場合、合格証明書等の確認資料の提示が不要になりました。異なる資格コードで申請する場合と、技術職員名簿に新規記載される場合は従来どおり必要です。 |
| 令和6年3月1日 | 確認資料について写しの提示が可能になりました。前回申請書について写しを提示する場合は、前回の経営事項審査結果通知書の写しも提示してください。 |
| 令和5年9月1日 | 工事の確認資料が5件から3件に減りました。各業種ごとに、工事経歴書の記入順で上段から3件分を用意します。 |
審査に時間がかかりそうな項目は、審査日より前に建設業指導担当へ持ち込んで確認を受けます。事前確認に予約は不要で、受付時間は開庁日の午前9時〜正午、午後1時〜5時です。確認が終わると「確認票」が交付され、これを審査日に持参します(提示書類は不要になります)。
| 確認事項 | 必須になる条件 | 持込期限 |
|---|---|---|
| 最初の許可年月日 | 最初に受けた建設業許可通知書を紛失した場合等 | 審査日まで |
| 技術職員数 | 40名を超えるときは必須 | 審査日のおおむね1か月前まで |
| 建設機械の保有台数 | 6台以上のとき | |
| 工事経歴書の裏付資料 | 確認対象工事が20件を超えるときは必須(工事経歴書に単価契約を7件以上記載したとき等を含む) |
| 申請の種類 | 手数料 | 1業種 | 2業種 | 5業種 |
|---|---|---|---|---|
| 経営規模等評価申請+総合評定値請求(通常はこれ) | 8,500円+n×2,500円 | 11,000円 | 13,500円 | 21,000円 |
| 経営規模等評価申請のみ | 8,100円+n×2,300円 | 10,400円 | 12,700円 | 19,600円 |
| 総合評定値の請求のみ | 400円+n×200円 | 600円 | 800円 | 1,400円 |
多くの解説記事が「経審の結果通知書は1年7か月有効」と書いています。実務上の目安としては間違っていませんが、条文はもう少し違う書き方をしています。
建設業法施行規則第18条の2の考え方
毎年公共工事を発注者から直接請け負うためには、定期的に経審を受ける必要があります。ここでいう「定期的に受ける」とは、公共工事の発注者と請負契約を締結する日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了の日(=審査基準日)以降に、結果通知書の交付を受けていることをいいます。
| 審査基準日 | 結果通知書の交付 | 公共工事を請け負える期間の終わり |
|---|---|---|
| 前年12月31日 | 翌年の早い時期 | 翌年7月31日 |
| 当年12月31日 | 翌年の早い時期 | 翌々年7月31日 |
| 期限 | やること |
|---|---|
| 4月1日〜 | 予約システムで審査日を押さえる(毎月1日0時に2か月後が開放) |
| 7月31日 | 決算変更届の提出期限(事業年度終了後4か月以内) |
| 審査日の1か月前 | 事前確認の持込期限(技術職員40名超・建設機械6台以上・確認対象工事20件超) |
| 審査日まで | 経営状況分析結果通知書(原本)の受領 |
| 審査日+22日(閉庁日を除く) | 結果通知書の交付(標準処理期間) |
| 翌年10月31日 | 前期の経審で公共工事を請け負える期限(3月31日+1年7か月) |
1〜7のうち、決算日を過ぎてからできるのは1番だけです。2〜7はすべて「審査基準日までに実績・状態が整っていること」を求められます。経審対策は決算対策であり、決算日の3〜6か月前に始めるものだと考えてください。当事務所が「決算前のP点シミュレーション」をおすすめしているのは、この時間軸のためです。
「いま決算を締めたら、P点は何点になるのか」「2年平均と3年平均のどちらが有利か」「取りこぼしているW点はないか」。決算日の前であれば、まだ動かせます。初回相談は無料です。
お電話:03-6783-6727(平日9:00〜18:00)
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東京都は令和5年10月23日から、建設業許可・経営事項審査電子申請システム「JCIP」による電子申請を受け付けています。
| 対象手続 | 建設業許可申請(新規・業種追加・更新)/各種変更届・決算変更届・廃業届/経営事項審査申請。事業承継等の認可申請は対象外 |
|---|---|
| 事前準備 | GビズIDの取得が必須(デジタル庁所管)。取得に日数がかかるため、審査日から逆算して早めに |
| 手数料の納付 | Pay-easy(ペイジー)決済のみ。対応金融機関に限りがあり、楽天銀行のオンライン方式は対象外 |
| 確認資料 | 窓口申請と違い、技術職員の資格確認資料も電子データの添付が必要です(令和8年3月11日の緩和は窓口申請のみ) |
| 代理申請 | 行政書士による代理申請に対応。東京都は「代理申請編」の説明動画を公開しています |
| 予約・来庁 | 電子申請なら、審査日時の予約と来庁が不要になります。窓口で審査を受ける場合は予約が必須です(10章) |
| 書面申請 | 従来どおり引き続き受け付けています |
経審は公共工事の受注機会に直結する審査なので、虚偽の申請に対する扱いは、他の建設業手続きよりも厳しくなっています。
| 監督処分 | 東京都の説明書は、虚偽の申請をした場合は営業停止30日以上の監督処分の対象になると明記しています |
|---|---|
| 罰則 | 6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(建設業法第50条第1項第4号。経営状況分析申請書・経営規模等評価申請書およびその添付書類への虚偽記載) |
| 法人への罰則 | 両罰規定により、法人にも100万円以下の罰金(建設業法第53条) |
| 経審への跳ね返り | 営業停止処分を受けると、W4(法令遵守の状況)で▲30点。翌期以降のP点が下がります |
| 資料の提出・報告 | 許可行政庁は、記載要領に示されていない資料の提出や報告を求めることができます(建設業法第27条の26第4項) |
経審の点数は、決算変更届で提出した工事経歴書と建設業財務諸表から機械的に計算されます。ここが経審仕様になっていないと、後からいくら頑張っても点数は動きません。
決算変更届そのものの実務は、決算変更届(事業年度終了届)|東京都の別紙8・正副2部・2番窓口と4か月の期限にまとめています。
| 内容 | 報酬(税別) | 別途かかる費用 |
|---|---|---|
| 経営事項審査(1業種) | 120,000円から | 経営状況分析 約13,000円(機関により異なる) 経営規模等評価+総合評定値請求 8,500円+業種数×2,500円 |
| 2業種目以降の追加 | +10,000円/業種 | |
| 決算変更届+経審のセット | 160,000円から | |
| 経審+入札参加資格申請のセット | 140,000円から | |
| 経審対応用の決算変更届(財務諸表の経審様式変換を含む) | 70,000円から | なし |
| 決算前のP点シミュレーション・初回相談 | 無料 | なし |
申請手続の代理ができるのは、行政書士と弁護士に限られています。東京都の説明書も「申請手続の代理については、他の法律に特段の定めがある場合を除いて、法律で行政書士又は弁護士に限られています」と明記しています。行政書士が代理する場合は、委任状を添付し、申請者欄に申請者と代理人の住所・氏名を併記します。
Q 公共工事の現場に入っていますが、下請だけです。経審は必要ですか。
A 必要ありません。経審が必要なのは、国・地方公共団体等が発注する1件500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の建設工事を発注者から直接請け負おうとする場合です(建設業法第27条の23第1項、同法施行令第27条の13)。下請としてしか入らないのであれば、経審を受ける義務はありません。
A できません。令和7年5月1日以降、予約は予約システムからのみです。窓口・電話・予約申込票による予約は行えません。予約枠は毎月1日の0時に2か月後の月の分が開放されます。ただし、予約の変更や取消しは建設業課内受付(03-5321-1111 内線30-691)への電話連絡です。
A 取れます。令和7年5月1日以降、決算変更届を提出する前でも予約できるようになりました。3月決算・9月決算のように予約が混み合う時期は、先に枠を押さえてから決算変更届と経営状況分析を進める段取りが現実的です。
A 東京都知事許可業者の場合、結果通知書の交付に要する標準処理期間は22日(閉庁日を含みません)です。この期間を過ぎても届かない場合は、建設業課の建設業指導担当に問い合わせてください。結果通知書の再発行はできません。
A 経営規模等評価申請と総合評定値請求をあわせて申請する場合、8,500円+審査対象業種数×2,500円です。1業種なら11,000円、2業種なら13,500円、5業種なら21,000円になります。窓口申請は審査終了後に現金で納め、電子申請(JCIP)はPay-easy決済のみです。このほかに経営状況分析の手数料(おおむね13,000円程度)がかかります。
A 少し違います。建設業法施行規則第18条の2は、公共工事の請負契約を締結する日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了の日(審査基準日)以降に、結果通知書の交付を受けていることを求めています。基準は「契約日から逆算」です。実務上は審査基準日+1年7か月で管理して差し支えありませんが、決算期を変更したときなどは条文の考え方に戻って判断します。
A 逆です。令和2年10月1日から社会保険への加入が建設業許可の要件になったため、許可を持っている以上は加入していることが前提になりました。だから経審で改めて確認する必要が乏しくなり、審査項目から削除されたというのが国土交通省の説明です。未加入なら、経審の減点以前に建設業許可を維持できません。
A 間に合いません。加点の条件は「審査基準日において有効な自主宣言を行っていること」です。審査基準日は決算日ですから、決算日までに宣言が済んでいる必要があります。宣言の有効期間は申請日の翌月から2年後の12月末まで、取組開始日は申請日から1年以内に設定します。経審の申請時には、宣言に関する誓約書を提出します。
A できません。すべての審査対象業種で同じ平均年数になります。さらに、ここで選んだ平均年数はZ2(元請完成工事高)にもそのまま適用されます。完成工事高全体では3年平均が有利でも、元請完成工事高では2年平均が有利ということがあるため、X1とZ2の両方を計算して、合計P点で比較してください。
A 5点です。6点になるのは、1級技術者であって監理技術者資格者証の交付を受け、かつ監理技術者講習を受講している場合です。監理技術者講習は「受講した日の属する年の翌年から起算して5年を経過しない者」であることが必要で(建設業法施行規則第17条の21)、受講日から5年ではありません。審査基準日までに受講を済ませてください。
A 1人につき最大2業種までです。3業種分の資格を持っていても、申請できるのは2業種分です。複数業種で受審する会社は、誰をどの業種に割り当てるかでZ点が変わります。なお東京都では、技術職員が40名を超えるときは事前確認が必須です。
A どこに頼んでもY点は同じです。算式(Y=167.3×A+583)は告示で決まっており、機関によって変わりません。違うのは手数料・処理速度・サポート内容です。登録経営状況分析機関の一覧は国土交通省が公表しています。結果通知書は「原本」を審査当日に持参してください。忘れると審査は中止になり、予約を取り直すことがあります。
A できません。東京都は「同一基準日で、経営事項審査を再度申請することはできません」としています。また審査が終了し申請書が受理された後は、申請内容の変更もできません。次の決算を待つことになります。審査日の前に、入札を狙う業種の構成を固めきってください。
A 窓口申請なら不要になりました。令和8年3月11日から、技術職員名簿に係る資格の確認資料は「写しの提示のみ」となり、提出は不要です。窓口で確認後に返却されます。ただし電子申請(JCIP)の場合は従来どおり、確認資料の写しの電子データを添付する必要があります。
A 書類を提出できるのは、個人申請者本人、法人の役員・従業員等、そして行政書士(その補助者を含む)と弁護士です。東京都の説明書は「申請手続の代理については、他の法律に特段の定めがある場合を除いて、法律で行政書士又は弁護士に限られています」と明記しています。代理の場合は委任状を添付し、申請者欄に申請者と代理人を併記します。
経審の申請代行だけでなく、決算前のP点シミュレーション、東京都の予約枠の確保、事前確認の持込み、JCIP電子申請の代理操作、そして入札参加資格申請まで一貫してお引き受けします。初回相談・お見積りは無料です。
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執筆者
萩本 昌史(はぎもと まさし)/特定行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 24080582)/行政書士萩本昌史事務所 代表。東京都行政書士会所属。建設業許可・経営事項審査・入札参加資格申請を中心に、消防法・防火管理、外国人の在留資格申請まで対応しています。経審については、決算前のP点シミュレーションから、東京都の予約枠の確保、事前確認、審査当日の代理出席、JCIP電子申請、入札参加資格申請への接続まで一貫してお引き受けしています。
本記事は、上記の一次資料を2026年9月9日時点で確認して作成しています。審査基準・様式・運用は改正されることがあるため、実際の申請にあたっては、その時点の最新の告示・通知および東京都都市整備局の案内をご確認ください。