

業種追加は、すでに建設業許可を持っている会社が、同じ許可区分(一般なら一般、特定なら特定)の中で別の業種の許可を足す申請です。東京都知事許可の法定手数料は5万円、標準処理期間は申請受付後25日(閉庁日を除く)。新規申請と違って郵送も使えますが、使えるのは条件を満たしたときだけです。このページでは、東京都の令和7年度手引と郵送対応ページに書かれている内容を、「何が省略でき、何が省略できないのか」という実務の判断軸で並べ直しました。
| 申請区分の名称 | 業種追加(申請書上は「4 業種追加」。更新と同時なら「8 業種追加+更新」) |
|---|---|
| できること | 一般を持っている者が他の一般を足す/特定を持っている者が他の特定を足す |
| できないこと | 一般から特定へ、特定から一般へ移ること(これは「般・特新規」という別の申請区分) |
| 法定手数料 | 5万円(区分ごと。一般と特定の両方に足すと10万円、更新と同時なら10万円) |
| 手数料の納め方 | 窓口=現金またはキャッシュレス/郵送=現金書留またはPay-easy対応の納入通知書/電子申請(JCIP)=Pay-easyのみ。東京都収入証紙は使いません |
| 標準処理期間 | 申請書の受付後25日(土日祝日等の閉庁日を除く) |
| 提出窓口 | 東京都庁第二本庁舎3階南側 建設業課 審査担当1番窓口 |
| 受付時間 | 午前9時〜午後5時。ただし申請は午前9時〜午後4時。手数料の納入が必要な申請は午後4時までに発券機で番号札を取る必要があります(再来のときも同じ) |
| 郵送 | 条件を満たす場合のみ可(後述)。宛先は1番窓口。封筒に許可番号と「追加申請在中」を朱書き。副本返送用レターパックを同封 |
| 申請できる期限 | いま持っている許可の有効期間の満了日の30日前まで(新規申請以外に共通) |
| 許可の一本化 | 更新と同時に申請する場合に可能。入金の時点で有効期限まで30日以上あることが条件 |
| 当事務所の報酬 | 50,000円(税別)から。2業種目以降は1業種につき5,000円。法定手数料5万円と合わせて合計100,000円から |
| 依頼から許可までの目安 | 資格で証明できる場合は約1.5〜2か月、実務経験で証明する場合は約2〜3か月 |
| 代理できる人 | 行政書士または弁護士に限られます |
| 許可が下りた後 | 許可票(看板)の書き換え、決算変更届(毎事業年度終了後4か月以内)、経営事項審査を受けるなら追加業種分の完成工事高の整理 |
業種追加とは、建設業法第3条の許可をすでに受けている者が、いま持っている区分と同じ区分の中で、別の建設業の種類(29業種のうちの他の業種)について許可を申請することをいいます。東京都の手引は申請区分を9通りに整理しており、業種追加はそのうちの「4 業種追加」に当たります(手引P13)。
「似た工事だから今の許可でいけるだろう」は最も危険な自己判断です。許可を受けていない業種で500万円以上(建築一式は1,500万円以上、または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅)の工事を請け負うと、建設業法第3条第1項違反となり、同法第47条第1項第1号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。情状により両方を科すこともできます(同条第2項)。さらに法人には、同法第53条第1号により1億円以下の罰金が科されます。
なお「拘禁刑」は令和7年6月1日に施行された刑法改正で「懲役」「禁錮」を一本化したものです。いまも「3年以下の懲役」と書いてある解説記事は、この改正前の条文のままです。
実務でいちばん間違えられるのが、業種追加と般・特新規(はんとくしんき)の取り違えです。申請区分を間違えると手数料の額も必要書類も変わり、受け付けてもらえません。判断の軸は「区分をまたぐかどうか」の一点です。
| 項目 | 業種追加 | 般・特新規 |
|---|---|---|
| どういう申請か | いまと同じ区分の中で業種を足す | 区分そのものを新しく持つ(一般だけの者が特定を、特定だけの者が一般を申請) |
| 典型例 | 一般・内装仕上工事業の会社が、一般・電気工事業を足す | 一般・内装仕上工事業だけの会社が、特定・内装仕上工事業を取る |
| 法定手数料 | 5万円 | 9万円(新規申請と同額) |
| 営業所技術者等の要件 | 追加業種について、一般であれば法第7条第2号の要件 | 特定を取るなら法第15条第2号の要件(一級の国家資格、または指導監督的実務経験2年) |
| 財産的基礎 | 直前決算の純資産が500万円未満のときに預金残高証明書または融資証明書が必要(手引P21) | 特定を取るなら、欠損の額が資本金の20パーセント以下、流動比率75パーセント以上、資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上の4つすべて(手引P9) |
| 工事経歴書 | 申請する業種の分のみ作成(手引P20) | 一部業種だけなら業種追加と同じ書類。全業種を変更・追加するなら新規申請と同じ書類 |
なお、同一の業種について一般と特定の両方の許可を受けることはできません(手引P6)。
建設業法第2条および別表第一により、建設業許可は一式工事2業種と専門工事27業種の、合わせて29業種に分かれています。追加できるのはこの29業種の中の、まだ許可を受けていない業種です。
| 番号 | 建設業の種類 | 区分 | 番号 | 建設業の種類 | 区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 土木工事業(土木一式) | 一式・指定建設業 | 16 | ガラス工事業 | 専門 |
| 2 | 建築工事業(建築一式) | 一式・指定建設業 | 17 | 塗装工事業 | 専門 |
| 3 | 大工工事業 | 専門 | 18 | 防水工事業 | 専門 |
| 4 | 左官工事業 | 専門 | 19 | 内装仕上工事業 | 専門 |
| 5 | とび・土工工事業 | 専門 | 20 | 機械器具設置工事業 | 専門 |
| 6 | 石工事業 | 専門 | 21 | 熱絶縁工事業 | 専門 |
| 7 | 屋根工事業 | 専門 | 22 | 電気通信工事業 | 専門 |
| 8 | 電気工事業 | 専門・指定建設業 | 23 | 造園工事業 | 専門・指定建設業 |
| 9 | 管工事業 | 専門・指定建設業 | 24 | さく井工事業 | 専門 |
| 10 | タイル・れんが・ブロック工事業 | 専門 | 25 | 建具工事業 | 専門 |
| 11 | 鋼構造物工事業 | 専門・指定建設業 | 26 | 水道施設工事業 | 専門 |
| 12 | 鉄筋工事業 | 専門 | 27 | 消防施設工事業 | 専門(当事務所の重点分野) |
| 13 | 舗装工事業 | 専門・指定建設業 | 28 | 清掃施設工事業 | 専門 |
| 14 | しゅんせつ工事業 | 専門 | 29 | 解体工事業 | 専門 |
| 15 | 板金工事業 | 専門 | — | — | — |
ここが業種追加のいちばんの勘所です。多くの解説記事は「業種追加は新規より簡単」とだけ書いていますが、どこがどう簡単なのかを書いていません。東京都の手引P20〜P21には、申請区分ごとに「新規・全部般特」「追加・一部般特」「更新」の3列で提出書類の要否が示されています。その「追加」列を読み解くと、次のようになります。
| 書類 | 様式 | 省略できる理由 |
|---|---|---|
| 定款 | — | すでに提出済み。ただし定款の目的から追加する業種が読み取れないときは、目的を変更する旨の念書を求められることがあります(手引P20 注3) |
| 財務諸表(法人用・個人用) | 様式第15〜17号の3、第18号・第19号 | 毎年の決算変更届で提出しているため |
| 営業の沿革 | 様式第20号 | すでに提出済み |
| 所属建設業者団体 | 様式第20号の2 | すでに提出済み |
| 主要取引金融機関名 | 様式第20号の3 | すでに提出済み |
| 株主(出資者)調書 | 様式第14号 | すでに提出済み |
| 登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | — | 業種追加では不要(新規と更新では必要) |
| 事業税の納税証明書 | — | 新規または全部般・特新規のときだけ必要 |
| 常勤役員等(経管)の経営経験を証明する資料 | — | 業種追加・般特新規・更新では不要(手引P21 確認資料4) |
| 営業所一覧表(更新) | 様式第1号 別紙2(2) | 更新を伴う場合だけ作成 |
「経管は既存の許可で足りているから確認されない」というのは正確ではありません。省略されるのは経営経験を証明する資料であって、常勤性の確認資料は業種追加でも必要です(手引P21 確認資料4)。役員が交代していたのに変更届を出していない、というケースはここでつまずきます。
| 分類 | 書類 | 様式 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 本冊 | 建設業許可申請書 | 様式第1号 | 令和6年12月13日からの新様式。電算入力用紙も必要 |
| 役員等の一覧表 | 様式第1号 別紙1 | 確認資料の「役員等氏名一覧表」とは別の様式です | |
| 営業所一覧表(新規許可等) | 様式第1号 別紙2(1) | 従たる営業所がなくても作成。電算入力用紙も必要 | |
| 営業所技術者等一覧表 | 様式第1号 別紙4 | 令和6年12月13日からの新様式。旧「専任技術者一覧表」 | |
| 工事経歴書(直前1期分) | 様式第2号 | 業種追加では申請する業種の分のみ作成(手引P20) | |
| 直前3年の各事業年度における工事施工金額 | 様式第3号 | 実績がない業種も種類別に記入 | |
| 使用人数 | 様式第4号 | — | |
| 誓約書 | 様式第6号 | 法第8条の欠格要件に該当しないことの誓約 | |
| 健康保険等の加入状況 | 様式第7号の3 | 電算入力用紙も必要。様式第20号の3は「主要取引金融機関名」であり、別の書類です | |
| 別とじ | 別とじ用表紙 | — | — |
| 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書 | 様式第7号(または様式第7号の2) | どちらか一方。略歴書も添付 | |
| 営業所技術者等証明書(新規・変更) | 様式第8号 | 令和6年12月13日からの新様式。電算入力用紙も必要 | |
| 技術者要件を証明する書類 | — | 資格者証の写し、または発行後3か月以内の卒業証明書(原本提出) | |
| 実務経験証明書 | 様式第9号 | 実務経験で証明する場合。既許可業種の分は前回と同一内容で作成 | |
| 指導監督的実務経験証明書 | 様式第10号 | 特定のみ。監理技術者資格者証で証明するなら不要 | |
| 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書 | 様式第12号 | 法人は役員等(5パーセント以上の個人株主、顧問、相談役を含む)について作成 | |
| 確認資料 | 登記されていないことの証明書 | — | 発行後3か月以内。証明日が3か月以内の医師の診断書でも代替できます。「後見登記されていないことの証明書」という名称の書類は存在しません |
| 身分証明書 | — | 発行後3か月以内。本籍地の区市町村長が発行。外国籍の役員等がいる場合は国籍の入った証明書を取れば添付が免除されます | |
| 常勤役員等(経管)および直接補佐者の確認資料 | — | 常勤性の資料は必要。経営経験の資料は不要 | |
| 営業所技術者等(専技)の確認資料 | — | 常勤性と技術要件の両方。更新と違い、実務経験を証明する資料も必要です | |
| 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入証明資料 | — | — | |
| 役員等氏名一覧表 | — | 本冊の別紙1とは別の様式 | |
| 預金残高証明書または融資証明書 | — | 直前決算で純資産が500万円未満の場合に必要。証明日(発行日ではありません)が受付日から1か月以内のもの |
「健康保険証の写しを出せばよい」という説明は、令和8年7月1日以降は不正確です。健康保険の資格確認書の写しは、事業所名の記載があり有効期限内のものに限って選択肢の一つとして残っていますが、それだけで足りるとは限りません。
業種追加の審査で実質的にすべてが決まるのが、追加する業種の営業所技術者等(専技)です。令和6年12月13日に施行された改正建設業法により、この人の呼び名は「営業所技術者」(一般建設業)および「特定営業所技術者」(特定建設業)に変わりました。以前の「専任技術者」は旧称です。様式第8号も「営業所技術者等証明書」に改められています。
指定学科は学校教育法にもとづく学校のものに限られ、大学院、職業訓練校、他の法律にもとづく各種学校は対象外です。学科名が微妙な場合、東京都は判定に2週間から1か月を要すると案内しています(手引P77)。
電気工事業と消防施設工事業だけは、3つ目の道が閉じています。東京都の手引P21 注2は、次のとおり明記しています。
電気工事又は消防施設工事における無資格者の実務経験は、電気工事士法及び消防法の規定により原則として認められません。
電気工事士でなければ電気工事に従事できず、消防設備士でなければ消防用設備等の工事に従事できない以上、「無資格で10年やってきた実務経験」は法的に成り立たないという理屈です。この2業種を足すなら、資格者の確保が唯一の道だと考えてください。なお、この取扱いは許可行政庁によって異なります(手引P20にも「確認資料は許可行政庁によって異なる」と明記があります)。他県向けの情報をそのまま東京都に当てはめないでください。
できます。東京都の手引P8は、「複数の業種の技術資格要件を1人で満たす者がいる場合、同一営業所内であれば、その者1人で、複数業種の営業所技術者等を兼ねることができます」としています。業種追加で最も費用と時間がかからないのは、この兼任のパターンです。
さらに、営業所技術者等と常勤役員等(経管)・直接補佐者・令3条の使用人は、同一営業所内であれば1人が兼ねられます(手引P8)。小規模な会社では、社長1人が経管と複数業種の営業所技術者を兼ねている例が珍しくありません。
ただし、同一営業所内で同じ業種に複数の営業所技術者等を置くことはできません(手引P8)。「念のためもう1人登録しておく」ということはできない、という意味です。
| 資格 | 営業所技術者等になれる主な業種 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1級建築施工管理技士 | 建築一式・大工・左官・とび土工・石・屋根・タイルれんがブロック・鋼構造物・鉄筋・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具・解体 | 特定と一般の両方に使えます。解体工事業は、平成27年度以前の合格者だと解体工事の実務経験1年以上の証明または登録解体工事講習の受講が必要です |
| 1級土木施工管理技士 | 土木一式・とび土工・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ・塗装・水道施設・解体 | 特定と一般の両方に使えます。解体工事業は上と同じ注意点があります |
| 1級電気工事施工管理技士 | 電気工事業 | 電気通信工事業には使えません。電気通信工事業は電気通信工事施工管理技士・技術士(電気電子部門)・電気通信主任技術者(資格者証交付後の実務経験5年以上)などが必要です |
| 1級管工事施工管理技士 | 管工事業 | 特定と一般の両方に使えます |
| 1級電気通信工事施工管理技士 | 電気通信工事業 | 令和元年度に創設された技術検定です |
| 第一種電気工事士 | 電気工事業 | 一般のみ。第二種電気工事士は免許交付後の実務経験3年以上が必要です |
| 甲種消防設備士 | 消防施設工事業 | 一般のみ。特定を取るには、これに加えて指導監督的実務経験2年が必要です |
| 乙種消防設備士 | 消防施設工事業 | 一般のみ。営業所技術者にはなれますが、乙種の免状では工事そのものはできません(後述) |
| 登録基幹技能者(登録内装仕上工事基幹技能者など) | 講習修了証に記載された建設業の種類 | 一般建設業(法第7条第2号ハ)のみ。修了証に「建設業法第26条第1項に定める主任技術者の要件を満たすと認められる」旨の記載が必要です(手引P80) |
「この資格でこの業種を足せるか」「うちの職人の経験年数で足りるか」——ここが決まらないと、業種追加は前に進みません。要件の確認だけのご相談も無料です。資格者証と許可通知書をお手元にご用意のうえ、お電話ください。
03-6783-6727(平日9:00〜18:00/特定行政書士 萩本昌史)
お問い合わせフォームはこちら
東京都の手引P12は、許可申請の手数料を「一般建設業、特定建設業別に、それぞれ納入」と定めています。ここが業種追加の費用を読み解くときの鍵です。
| 申請区分 | 手数料 |
|---|---|
| 新規、許可換え新規、般・特新規 | 9万円 |
| 業種追加、更新 | 5万円 |
| 業種追加と更新を同時に申請 | 10万円(5万円+5万円) |
| 一般と特定の両方に業種を足す | 10万円(一般5万円+特定5万円) |
| 一般と特定を同時に更新 | 10万円(5万円+5万円) |
| 申請の方法 | 納付方法 | タイミング |
|---|---|---|
| 窓口 | 現金、またはキャッシュレス決済 | 窓口審査のあと。入金して初めて「受付」になります |
| 郵送 | 現金書留、またはPay-easy対応の納入通知書 | 郵送審査のあと、建設業課から入金の指示がきてから。連絡が来る前に送金してはいけません |
| 電子申請(JCIP) | Pay-easyのみ | — |
| 内訳 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 行政書士報酬(業種追加・1業種) | 50,000円から | 2業種目以降は1業種につき5,000円 |
| 法定手数料 | 50,000円 | 東京都へ納入。区分ごとに5万円 |
| 合計の目安 | 100,000円から | — |
| 実費(証明書取得) | 数百円から数千円 | 登記されていないことの証明書、身分証明書、卒業証明書など。役員の人数で変わります |
| 更新と同時に申請する場合 | 報酬60,000円から+法定手数料50,000円を加算 | 許可の一本化を伴う場合 |
STEP 1 追加する業種を決める
どの工事を、いくらの規模で請け負いたいのかを確認します。「元請にこう言われた」という理由だけで業種を決めると、実際に必要な業種とずれることがあります。工事の内容から逆算して、追加すべき業種を特定します。
STEP 2 営業所技術者等の要件を確認する
いまいる技術者が兼任できるか、新たに配置が必要かを判定します。資格で証明できるのか、実務経験で証明することになるのか。ここで所要期間がほぼ決まります。実務経験での証明になると、この後の書類収集に2〜3か月かかります。
STEP 3 ご契約とお見積り
証明方法の難易度に応じた報酬額とスケジュールを書面でご提示します。
STEP 4 証明書類を集める
資格者証、卒業証明書、実務経験を裏づける契約書・注文書・請書・請求書、常勤性の確認書類、登記されていないことの証明書、身分証明書を集めます。工程のなかで最も時間がかかるのがここです。
STEP 5 申請書類一式を作る
様式第1号、別紙1・2(1)・4、様式第2号・第3号・第4号・第6号・第7号の3、別とじの様式第7号(または第7号の2)・第8号・第9号・第10号・第12号を作成し、電算入力用紙を用意し、手引P22〜P25の順にひもでとじます。
STEP 6 東京都に申請する
窓口、郵送、またはJCIPで提出します。窓口の場合は都庁第二本庁舎3階南側の1番窓口です。審査のうえ、手数料を納入して受付となります。
STEP 7 審査と許可通知書の受領
標準処理期間は申請書の受付後25日(閉庁日を除く)です。許可通知書は主たる営業所へ郵送されます。窓口交付はありません。
許可通知書は「転送不要」で送られます。東京都の手引P15は「許可通知書は営業所の所在確認のため『転送不要』としており、万が一許可通知書が届かない場合は、営業所調査を行い、許可をしない場合があります」としています。届出上の主たる営業所と実際の所在が食い違っていると、ここで露見します。また許可通知書は再交付できません。紛失した場合は建設業許可証明書(1通400円)を使います。
午後4時を過ぎると、その日は申請できません。東京都の手引P12は、受付時間を「午前9時〜午後5時(申請は午前9時〜午後4時)」としたうえで、「新規申請、業種追加申請、般特新規申請や更新申請等、手数料の納入が必要な申請については、午後4時までに発券機で番号札を発券する必要があります(申請の再来を含む。)」と定めています。補正のために出直したときも同じです。夕方に都庁へ着いても入金できず、受付は翌開庁日以降になります。
新規申請と違い、業種追加は郵送で受け付けてもらえる場合があります。ただし東京都は条件を細かく定めています。追加業種の営業所技術者等について、次の2つをどちらも満たす場合に限られます。
注文書や請求書で実務経験を証明する場合は、郵送できません。東京都は「経営経験または技術要件について、建設業許可通知書等によって証明することができず、注文書や請求書等による確認が必要な場合」を窓口審査が必要な申請として明示しています。10年実務経験で足す業種追加は、原則として都庁へ行くことになると考えてください。
同じ業者が許可日の異なる2つ以上の許可を受けている場合に、先に有効期間の満了を迎える許可の更新を申請する際、有効期間が残っている他のすべての許可も同時に1件の更新として申請することで、すべての許可日をそろえる仕組みです。申請書(様式第1号)では「許可の有効期間の調整」と表記されます(手引P14)。
一本化には期限があり、その期限は「申請した日」ではなく「受付が完了した日」で判定されます。
東京都の手引P14は「更新申請と業種追加申請・般特新規申請を同時に行う場合にも許可の一本化は可能ですが、許可の有効期間が満了する日の30日前までに受付が可能である場合に限られます」としています。さらに郵送対応ページは、より踏み込んで「更新申請と業種追加申請の一本化ができるのは、入金時点で、許可の有効期限まで30日以上ある場合に限ります」と書いています。
受付は、審査が済んで手数料が入金されたときに成立します。書類を出しただけでは受付ではありません。書類に不備があって補正に時間がかかると、30日前を過ぎて一本化に失敗します。その場合は更新申請と業種追加申請を別々の申請書で作り直すことになり、業種追加の許可通知は更新の許可通知より後になります。
一本化には、既存業種の更新手数料5万円を前倒しで払うという面もあります。判断の目安は次のとおりです。
| 状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 既存許可の残存期間が3か月〜1年程度 | 一本化する | どうせすぐ更新が来ます。まとめれば来庁も書類作成も1回で済みます |
| 既存許可の残存期間が2年以上ある | 一本化しない | 残っている期間を捨てることになります。次回の更新のときに一本化すれば足ります |
| 許可日が3つ以上に分かれている | 一本化する | 管理コストと失効リスクが手数料を上回ります |
| 残存期間が30日を切っている | 一本化できません | 更新申請だけ先に済ませ、業種追加はその後に別途申請します |
消防施設工事業は、29業種のなかで最も「資格がすべて」の業種です。代表の萩本は建設業許可と並行して消防法・防火管理を専門としており、消防設備士免状の確認から、消防施設工事業の許可追加、許可後の消防関係の届出(防火対象物使用開始届出書、消防用設備等設置届出書ほか)まで一続きでお引き受けできます。建設業と消防の両方を扱える行政書士は多くありません。
消防施設工事業の営業所技術者等になれる資格は、東京都の手引P78の資格表では甲種消防設備士と乙種消防設備士の2つだけです。1級建築施工管理技士や1級管工事施工管理技士など、他の業種で万能に使える施工管理技士の資格は、消防施設工事業には一切使えません。
| 証明の方法 | 東京都での可否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 甲種消防設備士(特類、第1類〜第5類のいずれか) | 可(一般建設業) | 手引P78の資格表 |
| 乙種消防設備士(第1類〜第7類のいずれか) | 可(一般建設業) | 手引P78の資格表 |
| 無資格者の10年実務経験 | 原則として不可 | 手引P21 注2「消防法の規定により原則として認められません」 |
| 指定学科の卒業+実務経験(3年・5年) | 原則として不可(実務経験の部分が認められないため) | 同上 |
| 特定建設業の特定営業所技術者 | 消防設備士免状に加えて指導監督的実務経験2年が必要 | 手引P8、法第15条第2号ロ。消防施設工事業は指定建設業ではないため、指導監督的実務経験による証明が使えます |
建設業許可の営業所技術者としては甲種でも乙種でもかまいません。しかし現場でできることが違います。消防法第17条の5は、消防設備士免状の交付を受けていない者が、政令で定める消防用設備等の工事または整備を行うことを禁じており、同法施行令第36条の2で、甲種は工事と整備、乙種は整備のみと区分されています。
| 項目 | 甲種消防設備士 | 乙種消防設備士 |
|---|---|---|
| 免状の種類 | 特類、第1類〜第5類 | 第1類〜第7類 |
| できること | 工事と整備 | 整備のみ(工事はできません) |
| 建設業許可の営業所技術者等 | なれます(一般) | なれます(一般) |
| 実際の施工体制 | 甲種があれば自社で工事まで完結できます | 工事は甲種を持つ者が行う必要があります |
| 類 | 主な対象設備 | 甲種 | 乙種 |
|---|---|---|---|
| 特類 | 特殊消防用設備等 | あり | なし |
| 第1類 | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備 | あり | あり |
| 第2類 | 泡消火設備 | あり | あり |
| 第3類 | 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 | あり | あり |
| 第4類 | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備 | あり | あり |
| 第5類 | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 | あり | あり |
| 第6類 | 消火器 | なし | あり |
| 第7類 | 漏電火災警報器 | なし | あり |
許可通知書が届いて終わりではありません。とくに見落とされやすいのが許可票(看板)の書き換えです。
建設業法第40条は、建設業者に対し、店舗ごとおよび発注者から直接請け負った建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲げることを義務づけています。標識には「許可を受けた建設業の名称」と「一般建設業または特定建設業の別」を記載しなければなりません。業種を足したら、この記載を書き換える必要があります。掲げていない場合、同法第55条第3号により10万円以下の過料の対象になります。
| やること | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 許可票(標識)の記載を書き換える | 速やかに | 建設業法第40条。掲げないと同法第55条第3号で10万円以下の過料 |
| 決算変更届(事業年度終了届)を出す。工事経歴書は追加した業種の分も作成する | 毎事業年度経過後4か月以内 | 建設業法第11条第2項 |
| 許可の有効期間を管理する。一本化していなければ、追加業種は別の許可日で動きます | 満了日の2か月前から30日前までに更新 | 手引P14 |
| 営業所技術者等が退職・交代したら、代わる者について届け出る | 2週間以内 | 建設業法第11条第4項・第5項 |
| 商号・営業所・資本金・役員等が変わったら変更届を出す | 30日以内 | 建設業法第11条第1項 |
| 公共工事を狙うなら、追加業種について経営事項審査を受ける | 決算変更届の提出後 | 建設業法第27条の23 |
| 失敗 | 何が起きるか | 回避方法 |
|---|---|---|
| 般・特新規と取り違える | 手数料も書類も違うため、受け付けられません | 「区分をまたぐか」で判断します。またぐなら般・特新規です |
| 消防施設工事業を実務経験で証明しようとする | 東京都では原則として認められません(手引P21 注2) | 消防設備士免状を持つ人を確保します |
| 消防設備士免状の写真の書換えが切れている | 技術者要件の確認資料として使えず、差し戻されます | 申請前に免状の書換え期限を確認します |
| 1級電気工事施工管理技士で電気通信工事業を足そうとする | 資格表の対応業種が違うため、要件を満たしません | 電気通信工事施工管理技士などを確保します |
| 一本化の期限を「申請日」で考える | 入金が満了日の30日前を過ぎると一本化できず、更新と業種追加が別々になります | 受付(入金)まで終わる日程で逆算します |
| 有効期間の満了日の30日前を過ぎてから業種追加を申請する | 受け付けられません(手引P13) | 更新の時期が近いなら、先に更新の段取りを確認します |
| 午後4時を過ぎてから都庁へ行く | 番号札が取れず、その日は受付になりません | 午前中か、遅くとも午後3時までに到着します |
| 実務経験で証明するのに郵送で送る | 窓口審査に回され、来庁を求められます | 資格で証明できるかを先に確認します |
| 常勤性の資料を健康保険証の写しだけで用意する | 令和8年7月1日から確認書類が変わっています | 標準報酬決定通知書の写しなど、現在の指定資料をそろえます |
| 役員の交代を届け出ないまま業種追加を申請する | 常勤役員等の常勤性が確認できず、審査が止まります | 申請の前に変更届の未提出がないか棚卸しします |
| 定款の目的に追加業種が読み取れない | 目的を変更する旨の念書を求められることがあります(手引P20 注3) | 定款の目的欄を事前に確認します |
| 許可票を書き換えない | 建設業法第55条第3号により10万円以下の過料の対象 | 許可通知書が届いたら看板を発注します |
「この資格で足せるか」「いま申請して一本化が間に合うか」「消防施設工事業を追加したい」——判断に迷う点だけでもかまいません。要件の確認とお見積りに費用はいただきません。許可通知書、資格者証、直近の決算書をお手元にご用意いただけると、初回のご相談で結論までお出しできることが多くあります。
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A東京都知事許可の業種追加の法定手数料は5万円です(手引P12)。1業種を足しても複数業種をまとめて足しても、同じ区分の中であれば5万円です。一般と特定の両方に足す場合は5万円+5万円で10万円、更新と同時に申請する場合も5万円+5万円で10万円になります。当事務所の報酬は50,000円(税別)から、2業種目以降は1業種につき5,000円です。
A区分をまたぐかどうかで分かれます。業種追加は、一般を持っている者が他の一般を、特定を持っている者が他の特定を申請するものです。般・特新規は、一般だけの者が特定を、特定だけの者が一般を申請するものです。たとえば一般・内装仕上工事業の会社が一般・電気工事業を足すなら業種追加、同じ内装仕上工事業を特定に格上げするなら般・特新規です。手数料は業種追加が5万円、般・特新規が9万円と倍近く違います。
Aできます。同じ区分の中であれば、1業種でも8業種でも法定手数料は5万円のままです。ただし追加する業種のそれぞれについて営業所技術者等の要件を満たす必要があるため、証明書類は業種の数だけ増えます。1人で複数業種の要件を満たす資格(1級建築施工管理技士など)があれば、同一営業所内でその1人が兼任できます(手引P8)。
A追加した業種は新しい許可日で管理されるため、既存業種と許可日が分かれます。これを避けるのが「許可の一本化(許可の有効期間の調整)」です。更新申請と同時に業種追加を申請すれば、すべての許可日をそろえられます。ただし入金の時点で有効期限まで30日以上あることが条件です(東京都「建設業許可申請書類の郵送対応について」)。
A東京都の標準処理期間は申請書の受付後25日(土日祝日等の閉庁日を除く)です(手引P15)。ただし受付までの準備期間があります。資格で証明できる場合はご依頼から許可取得まで約1.5〜2か月、10年の実務経験で証明する場合は書類収集に時間がかかるため約2〜3か月が目安です。
Aその人が追加業種についても資格または実務経験の要件を満たしているなら、同一営業所内で兼任できます(手引P8)。営業所技術者等と常勤役員等(経管)を1人が兼ねることもできます。ただし同一営業所内で同じ業種に複数の営業所技術者等を置くことはできません。
Aできます。手数料は更新5万円+業種追加5万円=10万円です。許可の一本化も同時にできますが、有効期間の満了日の30日前までに受付(入金)が完了する場合に限られます(手引P14)。間に合わなかった場合は更新申請と業種追加申請を別々の申請書で作ることになり、業種追加の許可通知は更新の許可通知より後になります。
A条件つきでできます。追加業種の営業所技術者等について、在職が標準報酬決定通知書等で確認でき、かつ技術要件が合格証書等の資格者証・監理技術者資格者証・大臣認定だけで確認できる場合などに限られます。注文書や請求書で実務経験を証明する必要がある場合は、窓口審査です(東京都「建設業許可申請書類の郵送対応について」)。なお新規申請は郵送できません。
A東京都では原則としてできません。手引P21 注2は「電気工事又は消防施設工事における無資格者の実務経験は、電気工事士法及び消防法の規定により原則として認められません」と明記しています。甲種または乙種の消防設備士免状を持つ人を営業所に常勤で置くことが、事実上の必須条件です。なお、この取扱いは許可行政庁ごとに異なります。
Aなれます(一般建設業)。ただし乙種の免状では消防用設備等の「工事」はできず、できるのは「整備」までです(消防法第17条の5、同法施行令第36条の2)。営業所技術者の要件を満たすことと、現場で工事ができることは別の話です。自社で工事まで行うなら、甲種消防設備士を持つ人の配置が必要です。
A消防設備士免状に加えて、指導監督的実務経験2年が必要です。指導監督的実務経験とは、元請として工事現場主任や工事現場監督のような立場で、設計または施工の全般について技術面を総合的に指導した経験をいいます(手引P8)。消防施設工事業は指定建設業(土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)に含まれないため、この方法が使えます。指定建設業では使えません。
Aいずれも不要です。手引P20〜P21の「追加・一部般特」列では、定款、財務諸表、営業の沿革、所属建設業者団体、主要取引金融機関名、株主(出資者)調書、登記事項証明書、納税証明書がハイフン(提出不要)になっています。ただし、直前決算で純資産が500万円未満の場合は、預金残高証明書または融資証明書が必要です。証明日(発行日ではありません)が受付日から1か月以内のものを用意してください。
A令和8年7月1日から取扱いが変わっています。法人であれば、健康保険・厚生年金保険の標準報酬決定通知書の写し、資格取得確認および標準報酬決定通知書の写し、厚生年金保険の被保険者記録照会回答票の写し、住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)の写し、直近決算の法人用確定申告書の写しなどから、いずれかを提出します。個人事業主であれば、直近決算の個人所得税確定申告書の写し(第一表、第二表、受信通知)です。いずれも生年月日が読み取れない場合は、運転免許証の写しなどを併せて提出します(東京都「常勤性確認書類の取り扱い変更のお知らせ」)。
A建設業法第3条第1項違反です。同法第47条第1項第1号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(情状により併科)の対象となり、法人にはさらに同法第53条第1号により1億円以下の罰金が科されます。加えて建設業法第28条にもとづく監督処分(指示、営業停止、許可の取消し)の対象にもなります。すでに契約してしまった場合は、ただちにご相談ください。今後の対応と業種追加の段取りを一緒に整理します。
A頼めません。東京都の手引は、申請手続の代理ができるのは行政書士または弁護士に限られると明記しています。書類提出の際に身分証明書の提示を求められる場合があります。また、行政書士が書類を作成したときは、行政書士法施行規則第9条第2項により記名のうえ行政書士職印を押すことになっています(手引P22)。
萩本 昌史(はぎもと まさし)/特定行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 24080582)/行政書士萩本昌史事務所 代表/東京都行政書士会所属
建設業許可と経営事項審査を中心に、消防法・防火管理まで扱っています。消防施設工事業の業種追加は、消防設備士免状の確認から許可取得後の消防関係の届出までを一続きでお引き受けできる分野です。建設業と消防の両方を扱える行政書士は多くありません。詳しいプロフィールは著者プロフィール、当事務所の執筆・監修方針は編集方針と一次資料・訂正方針をご覧ください。
行政書士萩本昌史事務所/〒157-0061 東京都世田谷区北烏山7丁目25番8-401/電話 03-6783-6727(平日9:00〜18:00)