

見積書に許可番号が書かれていない。名刺にも載っていない。聞けば「持っていますよ」と言う。けれど、契約書に判を押す前に、それを自分の目で確かめる方法はあるのでしょうか。
あります。しかも、相手の同意も、費用も、特別な資格も要りません。
建設業許可は行政庁が与える公的な許可であり、その情報は公開されています。国土交通省が運営する検索システムを使えば、全国の許可業者を誰でも無料で、その場で調べられます。
そして、これは「調べられる」という便利さの話ではありません。調べずに契約して相手が無許可だった場合、処分を受けるのは契約したあなたの会社です。 東京都の監督処分基準では、無許可業者と下請契約を締結した建設業者は営業停止処分(原則7日以上)とされています。無許可で請け負った本人に対する営業停止の量定(原則3日以上)より重い設定です(無許可営業には、これとは別に刑事罰が定められています)。
このページでは、建設業許可を確認する4つの方法を、それぞれの手順・費用・限界とともに整理します。あわせて、検索結果のどこを見れば足りるのか、出てこないときに何を疑うべきか、公的な証明が必要になったときにどうするかまでを、建設業法の条文と東京都の手引にそって解説します。
まず全体像です。目的によって使う手段が変わります。
方法 |
何が分かるか |
費用 |
所要 |
向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
① 国土交通省の検索システム |
許可番号・商号・代表者・所在地・許可業種・有効期限 |
無料 |
即時 |
契約前の確認、日常的なチェック |
② 東京都の建設業許可業者名簿 |
東京都知事許可業者の一覧(Excel・PDF) |
無料 |
即時 |
多数の業者をまとめて照合したいとき |
③ 建設業許可証明書(確認書) |
許可を受けていることの公的な証明 |
1通400円 |
窓口・郵送・電子 |
発注者や金融機関に提出するとき |
④ 許可関係提出書類の閲覧 |
申請書・変更届などの中身 |
1件300円 |
都庁窓口 |
技術者体制や経歴まで確かめたいとき |
正式名称は「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」です。
このシステムは建設業者だけを扱うものではありません。国土交通省の案内によれば、建設業者のほか、宅地建物取引業者、マンション管理業者、住宅宿泊管理業者、賃貸住宅管理業者、不動産鑑定業者、測量業者、建設コンサルタント、補償コンサルタント、地質調査業者、不動産特定共同事業者、不動産投資顧問業者の12分野が対象です。建設業を調べるときは、建設業者の検索メニューを選ぶところから始めます。
東京都都市整備局の「建設業許可業者検索」ページも、都独自の検索システムを用意しているのではなく、この国土交通省のシステムを案内する形をとっています。東京都知事許可の業者を調べるときも、入口はここです。
商号だけで検索すると、同名・類似名の業者が大量に出ることがあります。 「株式会社」の位置(前株・後株)でも別法人です。可能なら、許可番号で検索するのが最も確実です。見積書や請求書、名刺、現場の標識(許可票)に記載されているはずの番号を使ってください。
なお、法第40条により、建設業者は店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場ごとに標識を掲げる義務があります。標識の記載事項については建設業許可の看板(標識)|サイズ・記載事項・掲示義務と罰則で詳しく扱っています。
ここは実務上いちばん誤解が生まれる点です。検索システムは、許可の状況をリアルタイムに映す鏡ではありません。
表現が異なるのは、行政庁から検索システムへのデータ提供のサイクルと、システム側の反映処理のサイクルの両方があるためと考えられます。いずれにせよ、「今日許可が下りた業者は、今日は出てこない」という前提で使う必要があります。
したがって、次のような場合には検索システムだけで判断してはいけません。
これらのケースでは、後述する建設業許可証明書や、許可通知書・受付印のある申請書の写しを提示してもらうのが確実です。
許可業者としてヒットした。それで確認が終わりではありません。「許可がある」ことと「その工事を請け負える」ことは別だからです。
建設業許可は5年ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失います(法第3条第3項)。更新を忘れれば許可は自動的に消滅し、その後に500万円以上の工事を請け負えば無許可営業です。
ただし例外があります。更新の申請が有効期間の満了日までにされていれば、その申請に対する処分がされるまでの間、従前の許可はなお効力を有します(法第3条第4項)。検索システム上の有効期限が過ぎていても、更新申請中であれば適法に営業できている場合があるということです。
このときこそ、証明書や受付印のある申請書の写しで確認すべき場面です。更新期限そのものについては建設業許可の更新申請|いつから・必要書類・費用と一本化、期限を過ぎてしまった場合の対応は建設業許可の更新、30日前を過ぎたら?東京都で失効を防ぐ緊急対応で整理しています。
建設業許可は、業種ごとに与えられます(法第3条第2項)。建設業法別表第一は、土木一式工事から解体工事まで29の業種を定めています。
「建設業許可を持っている」だけでは足りません。内装工事を出すなら内装仕上工事業、消防設備の設置工事を出すなら消防施設工事業の許可があるかを見ます。許可を受けていない業種の工事を500万円以上で請け負えば、他の業種の許可を持っていても、その工事については無許可営業です。
ここには一つだけ例外があります。附帯工事です。法第4条は「建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる」と定めています。主たる工事に付随する範囲であれば、その業種の許可がなくても請け負えます。ただし「附帯」の範囲は主たる工事との関係で判断されるもので、独立した工事を附帯と称することはできません。
下請に出す金額によって、必要な許可の区分が変わります。
発注者から直接請け負った工事について、下請契約の請負代金の額の合計が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上になる場合、元請には特定建設業の許可が必要です(法第3条第1項第2号、建設業法施行令第2条)。
つまり、あなたが1次下請に大きな金額を出す立場なら、自社が特定建設業者であるかを確認します。逆に、あなたが元請から仕事を受けて、さらに2次下請へ大きく出すのであれば、その規模を管理しなければなりません。区分の詳細は建設業許可の種類と区分|大臣・知事許可と一般・特定の違いで解説しています。
この金額は令和7年2月1日施行の政令改正で、4,500万円(建築一式7,000万円)から引き上げられたものです。古い資料には旧金額が残っているので注意してください。
行政庁は許可に条件を付けることができます(法第3条の2第1項)。検索システムの詳細画面には「許可条件の有無」の欄があります。ここに「有」と出ている場合、営業の範囲などに制約が付いている可能性があるため、内容を確認する必要があります。
都道府県知事許可か、国土交通大臣許可かは、営業所の設置状況で決まります。2以上の都道府県に営業所を設けていれば大臣許可、1つの都道府県内だけなら知事許可です(法第3条第1項)。
「東京都知事許可だから東京都でしか工事できない」というのは誤解です。 知事許可でも全国の工事を施工できます。知事か大臣かは、あくまで営業所をどこに置いているかの区分です。
許可番号そのものの読み方(「般-7」の意味、大臣・知事コード、末尾5桁の意味)は建設業許可番号の見方|般-7の数字・大臣知事コード・調べ方で詳しく扱っています。
検索してヒットしない。このとき考えられる原因は5つです。すぐに「無許可だ」と結論づけないでください。
建設業法第3条第1項ただし書は、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者を許可の対象外としています。軽微な建設工事は、施行令第1条の2第1項により次のとおりです。
| 工事の種類 | 軽微な建設工事の範囲 |
|---|---|
| 建築一式工事以外 | 1件の請負代金の額が500万円未満 |
| 建築一式工事 | 1件の請負代金の額が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅を建設する工事 |
ただし、あなたが出そうとしている工事がこの範囲を超えるのであれば、その業者は請け負えません。 金額を分けて500万円未満に見せる方法については、建設業許可の500万円に抜け道はある?分割発注の危険と正しい対応で整理しています。施行令第1条の2第2項は、同一の建設業を営む者が工事の完成を2以上の契約に分割して請け負うときは各契約の額を合計すると定めており、分割は原則として通用しません。
前述のとおり、新規取得や変更の反映には概ね1か月程度かかります。取ったばかりの許可は出てきません。
個人事業主の場合、屋号ではなく個人名で登録されていることがよくあります。「〇〇工務店」で出てこなくても、代表者の氏名で登録されている可能性があります。
業種や所在地を指定していると、その条件に合わない登録内容の業者は表示されません。まずは許可番号だけ、または商号だけで、条件を外して検索してみてください。
いずれの原因にも当たらず、しかも相手が500万円以上の工事を「うちが元請で請ける」と言っているのであれば、無許可営業の疑いがあります。無許可営業のリスクそのものは建設業許可がないとどうなる?無許可営業の罰則と取得判断を参照してください。
東京都知事許可の業者に限れば、東京都都市整備局が建設業許可業者名簿を公開しています。
1社ずつ検索するのではなく、取引先リストを一括で突き合わせたいときに向いています。自社の取引先台帳とExcelで照合すれば、失効している業者を機械的に洗い出せます。
ただし、東京都は次の制限を明示しています。
この建設業者一覧を商用利用、出版、不特定又は多数に対して二次配布することは許可しません
社内での確認に使うのは差し支えありませんが、加工して外部に配布したり、名簿として販売したりすることはできません。 ご注意ください。
検索システムの画面は、公的な証明書ではありません。発注者や金融機関から「許可を証明する書類を出してほしい」と言われたときは、建設業許可証明書(確認書)を取得します。
ここは非常に多い相談です。東京都の手引は、許可通知書について次のとおり定めています。
つまり、許可通知書を紛失したら、二度と同じものは手に入りません。 その代わりとして用意されているのが建設業許可証明書です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 1通400円 |
| 申請方法 | 電子申請/建設業課窓口/郵送 |
| 郵送時の納付 | 現金書留のみ(小為替等の他の方式は不可) |
| 発行基準日 | 手数料が納付された日の許可情報で発行 |
| 窓口 | 建設業課証明窓口(03-5321-1111 内線30-656) |
なお、変更届を出した内容が証明書に反映されるまでには2週間程度かかります。商号変更や代表者変更の直後に証明書が必要な場合は、取得前に建設業課証明窓口へ確認してください。
注目すべきは、東京都の手引が建設業許可証明書の項目で、先に検索システムを案内している点です。
なお、下記URLの国土交通省『建設業者・宅建業者等企業情報検索システム』で、建設業許可情報(許可番号、商号又は名称、代表者氏名、所在地、許可有効期間、許可を受けた建設業の種類等)を常時、確認・出力することが可能となっていますので御利用ください。
日常の取引確認は検索システムで足りるというのが、許可行政庁自身の案内です。400円の証明書は、相手方に正式な書面を提出する必要がある場面のために使い分けてください。
「許可があることは分かった。では、その会社にどんな技術者がいるのか。どんな工事をしてきたのか」
そこまで確認したいときに使うのが、建設業法第13条の閲覧制度です。
法第13条は、国土交通大臣又は都道府県知事に対し、許可申請書、その添付書類(工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面、使用人数を記載した書面、欠格要件に該当しない旨の誓約書)、変更届出書などを公衆の閲覧に供する閲覧所を設けなければならないと義務づけています。建設業法施行令第5条は、都道府県知事の設ける閲覧所では当該知事の許可を受けた建設業者に係る許可申請書等を閲覧に供すると定めています。
これは「見せてもらえることがある」制度ではなく、行政庁の法律上の義務です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 現在有効な許可を受けている東京都知事許可業者 |
| 場所 | 都庁第二本庁舎3階 建設業課閲覧コーナー(03-5321-1111 内線30-698、30-699) |
| 時間 | 午後0時30分~午後4時30分(受付は正午~午後4時) |
| 手数料 | 建設業者1件の閲覧につき300円(建設業課収納窓口で納入) |
ここで工事経歴書を見れば、その会社が実際にどの種類の工事をいくらの規模で施工してきたかが分かります。技術者の体制や経営体制まで確認したい与信判断の場面では、300円で得られる情報としては非常に厚いものです。
ここからが本題です。許可の確認は、親切心や慎重さの問題ではなく、自社を守るための法的な必要です。
建設業法第28条第1項は、許可を受けた建設業者が各号のいずれかに該当する場合、行政庁は必要な指示をすることができると定めています。その第6号がこれです。
六 建設業者が、第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき。
条文には「情を知って」という限定がありません。 つまり、相手が無許可であることを知らなかったとしても、条文上は指示処分の対象になり得ます。
そして指示に従わないときは、行政庁は1年以内の期間を定めて営業の全部又は一部の停止を命ずることができます(法第28条第3項)。
東京都は「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」(令和8年1月7日 7都市建建第1235号改正)を定めています。その第7「無許可業者等との下請契約」は次のとおりです。
| 行為 | 処分 |
|---|---|
| 建設業者が、事情を知りながら、元請負人又は下請負人の立場で、法第3条第1項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき | 営業停止処分(原則7日以上) |
| 建設業者が、事情を知りながら、下請負人の立場で、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が法第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結したとき | 営業停止処分(原則7日以上) |
| 発注者から直接建設工事を請け負った一般建設業者が法第3条第1項第2号の規定に違反して、下請代金の額が政令で定める金額以上となる下請契約を締結したとき | 営業停止処分(原則7日以上) |
| 建設業者が、事情を知りながら、元請負人又は下請負人の立場で、営業停止処分を受けた者等と下請契約を締結したとき | 営業停止処分(原則7日以上) |
営業停止という同じ処分の中で比べると、確認せずに契約した建設業者の方が、無許可で請け負った本人より重い量定になっています。 この非対称は偶然ではありません。許可制度の実効性は、許可業者が取引の入口で相手を確認することによって担保される、という考え方が表れています。
なお、東京都の基準が「事情を知りながら」を要件としているのに対し、法第28条第1項第6号の条文にその限定はありません。基準は営業停止の量定を定めるものであり、法律上の処分要件そのものを狭めるものではないという関係にあります。「確認していなかったので知りませんでした」という説明が、どこまで有利に働くかは期待しない方が安全です。
無許可で建設業を営んだ者には、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金が科されます(法第47条第1項第1号)。情状により拘禁刑と罰金を併科することもできます(同条第2項)。
さらに両罰規定があり、法人の代表者や従業者がこの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、法人に1億円以下の罰金刑が科されます(法第53条第1号)。
かつて「懲役」と表記されていた部分は、刑法改正により拘禁刑に置き換わっています。古い解説記事の多くがまだ「3年以下の懲役」と書いていますが、現行の条文は「三年以下の拘禁刑」です。
法第40条の2は次のとおり定めています。
建設業を営む者は、当該建設業について、第三条第一項の許可を受けていないのに、その許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはならない。
これに違反した者は10万円以下の過料に処されます(法第55条第4号)。ホームページや名刺に許可業者らしい表示をしている業者が、検索してみると出てこない。そういう場合は、この条文にも触れている可能性があります。
名義を借りて許可業者を装う行為の全体像は、建設業許可の名義貸し・名義借り|罰則とバレる仕組み・許可取消しで詳しく扱っています。
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の請負代金の額の合計が政令で定める金額以上になるとき、施工体制台帳を作成し工事現場ごとに備え置かなければなりません(法第24条の8第1項)。また、各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を工事現場の見やすい場所に掲げる必要があります(同条第4項)。
施工体制台帳には下請負人の許可情報を記載します。台帳を作る段階で許可を確認するのでは遅いのです。契約前に確認しておけば、台帳作成もそのまま進みます。
検索してみたら、自社の情報が古い。代表者が前任者のまま。営業所の住所が移転前のまま。この状態は放置できません。
建設業法第11条第1項は次のとおりです。
許可に係る建設業者は、第五条第一号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、三十日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
対象は、商号又は名称、営業所の名称及び所在地、法人の資本金額及び役員等の氏名、個人の氏名及び支配人の氏名、営業所ごとに置かれる営業所技術者の氏名です。
「営業所技術者」は、令和6年の建設業法改正(令和6年法律第49号。令和7年12月12日完全施行)で従来の「専任技術者」から名称が変わったものです。特定建設業では「特定営業所技術者」となります(法第15条第2号)。届出の様式や解説書で用語が混在している時期なので、確認の際は注意してください。
なお、営業所技術者が置かれなくなり代わるべき者があるときは2週間以内(法第11条第4項)、許可基準を満たさなくなったときや欠格要件に該当するに至ったときも2週間以内の届出が必要です(同条第5項)。期限の全体像は建設業許可の変更届出書|2週間・30日・4か月の期限と必要書類で整理しています。
法第13条により、変更届出書は公衆の閲覧に供されます。 出していれば閲覧できる。出していなければ、検索システムにも名簿にも反映されません。
取引先が御社の登記事項証明書と検索システムを突き合わせれば、変更届の未提出はすぐに分かります。 「代表者が変わっているのに届出が出ていない会社」という評価は、与信の場面で決して有利に働きません。
変更届の提出をご依頼いただく場合は建設業許可の各種変更届|東京都・期限と必要書類をご覧ください。
最後に、検索システムの限界を明示しておきます。次の3つは、このシステムでは確認できません。 加えて、そもそも許可の確認では分からないことが1つあります。
指示処分・営業停止処分・許可取消処分を受けた履歴は、検索システムの企業情報には表示されません。
監督処分については、法第29条の5が別の仕組みを用意しています。
また、国土交通省はネガティブ情報等検索サイト( https://www.mlit.go.jp/nega-inf/ )で、所管事業者の処分歴を横断的に検索できるようにしています。東京都の監督処分は、東京都都市整備局のホームページでも公表されています。
公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、経営事項審査を受けなければなりません(法第27条の23第1項)。その結果(総合評定値P点)は検索システムには出ません。一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)( https://www.ciic.or.jp/ )の経営事項審査結果の公表で確認します。
適切な社会保険への加入は許可の基準の一部です(建設業法施行規則第7条第2号は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届書を提出した者であることを求めています)。しかし加入状況そのものは検索システムに表示されません。 下請の加入状況は、施工体制台帳や再下請負通知書に設けられた「健康保険等の加入状況」の欄で確認することになります(許可申請や変更届の場面で提出する「健康保険等の加入状況」は様式第7号の3です)。
これは制度の限界ではなく、当然のことです。許可は「一定の要件を満たしている」ことの証明であって、工事の品質や資金繰りを保証するものではありません。 許可の確認は与信判断の出発点であり、終点ではありません。
無料です。会員登録もログインも不要です。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」( https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/ )に誰でもアクセスして検索できます。東京都都市整備局も、自局の「建設業許可業者検索」ページからこのシステムを案内しています。
問題ありません。建設業許可の情報は、法律上、公開が予定されているものです。建設業法第13条は、許可申請書や変更届出書などを公衆の閲覧に供する閲覧所を設けることを行政庁に義務づけています。公開されることが法律上予定されている情報です。相手の同意は不要です。
そうとは限りません。①500万円未満(建築一式は1,500万円未満または木造住宅150㎡未満)の軽微な建設工事だけを請け負う業者は、そもそも許可が不要です。②新規取得や変更の反映には概ね1か月程度かかります。③商号の表記ゆれ(前株・後株、旧字体、屋号と登記商号の違い)でヒットしないこともあります。④許可換え・廃業・失効の可能性もあります。まず許可番号で、条件を絞らずに検索し直してください。
いいえ。建設業許可は業種ごとに与えられます(建設業法第3条第2項)。建設業法別表第一は29業種を定めており、発注する工事の業種の許可がなければ、その工事については無許可です。ただし、許可を受けた建設業の工事に附帯する他の業種の工事は、附帯工事として請け負うことができます(法第4条)。
頼めます。知事許可か大臣許可かは、営業所を1つの都道府県内にのみ設けているか、2以上の都道府県に設けているかという区分です(建設業法第3条第1項)。施工できる地域を制限するものではありません。 東京都知事許可の業者が、埼玉県や神奈川県の工事を施工することに問題はありません。
即断はできません。更新の申請が有効期間の満了日までにされていれば、その申請に対する処分がされるまでの間、従前の許可はなお効力を有します(建設業法第3条第4項)。この場合は、受付印のある更新申請書の写しか、建設業許可証明書を提示してもらってください。東京都では、更新手続中は更新申請書の写しを添付することで、許可有効期間満了後1年間に限り証明書が発行されます。
許可通知書は再交付できません。 東京都の手引に明記されています。代わりに建設業許可証明書(確認書)を取得してください。東京都では1通400円で、電子申請・窓口・郵送のいずれでも申請できます(郵送の場合、手数料は現金書留のみ)。なお、変更届を提出しても許可通知書は交付されないため、変更後の内容を示す必要があるときもこの証明書を使います。
可能性はあります。建設業法第28条第1項第6号は「建設業者が、第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき」と定めており、条文上「情を知って」という限定はありません。東京都の監督処分基準は「事情を知りながら」締結した場合を営業停止処分(原則7日以上)としていますが、これは量定の基準であり、法律上の処分要件を狭めるものではありません。契約前の確認を記録として残しておくことが、実務上の防御になります。
できません。東京都は「この建設業者一覧を商用利用、出版、不特定又は多数に対して二次配布することは許可しません」と明示しています。社内での取引先照合など、内部利用にとどめてください。
分かりません。監督処分については、建設業法第29条の5により行政庁が公告し、建設業者監督処分簿を公衆の閲覧に供することとされています。国土交通省のネガティブ情報等検索サイト( https://www.mlit.go.jp/nega-inf/ )や、東京都都市整備局の公表ページで確認します。経営事項審査の結果は、一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)( https://www.ciic.or.jp/ )の経営事項審査結果の公表で確認します。
できます。建設業法第13条の閲覧制度があり、許可申請書、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面、使用人数を記載した書面、誓約書、変更届出書などが対象です。東京都では、都庁第二本庁舎3階の建設業課閲覧コーナーで、1件につき300円、午後0時30分から午後4時30分まで(受付は正午から午後4時まで)閲覧できます。対象は東京都知事許可業者に限られます。
建設業許可の確認は、5分で終わります。
この5分を省いた結果が、営業停止処分 原則7日以上です。無許可で請け負った本人に対する営業停止(原則3日以上)より重い量定が、確認を怠った側に用意されています。
そして自社の側では、検索システムに映っている情報が今の会社と一致しているかを、年に一度は確かめてください。ずれているということは、変更届が出ていないということです。それは取引先から見えます。
当事務所では、東京都知事許可の新規取得・更新・各種変更届の代理申請のほか、取引先の許可状況の確認体制づくり(契約前チェックリストの整備、施工体制台帳との連動、期限管理)についてもご相談を承っています。「調べ方は分かったが、社内の運用に落とし込めない」という段階からお手伝いできます。
本記事は、建設業法(令和7年12月12日完全施行版)、建設業法施行令・施行規則の現行版、および東京都都市整備局が公開する令和7年度の手引・案内を、2026年8月19日時点で確認して作成しています。検索システムの反映サイクル、証明書や閲覧の手数料・受付時間、東京都の監督処分基準は変更されることがあります。実際に手続や確認を行う際は、その時点の最新の一次資料および許可行政庁の案内をご確認ください。本記事は一般的な解説であり、個別事案についての法的助言ではありません。
特定行政書士 萩本昌史(行政書士萩本昌史事務所/東京都世田谷区)
東京都の建設業許可について、新規申請・業種追加・更新・各種変更届・決算変更届・経営事項審査・入札参加資格申請を支援しています。取引先の許可確認は、事故が起きてからでは間に合わない手続です。契約前チェックの仕組みづくりから、自社の登録情報を実態に合わせる変更届まで、あわせてお引き受けしています。
プロフィール: https://kensetsu-kyoka.tokyo.jp/profile/masashi-hagimoto/