建設業許可の看板(標識)|サイズ・記載事項・掲示義務と罰則を行政書士が解説

建設業許可の看板(標識)|サイズ・記載事項・掲示義務と罰則を行政書士が解説

建設業許可の看板(標識)は店舗と工事現場でサイズも記載事項も違います。様式第28号・第29号の寸法、記載欄、元請だけが現場に掲げる理由、10万円以下の過料、更新後の書き換えを特定行政書士が一次資料で解説します。

建設業許可の看板(標識)|サイズ・記載事項・掲示義務と罰則を行政書士が解説

「建設業許可を取ったが、看板は本当に必要なのか」「サイズや書く内容に決まりがあるのか」「下請でも現場に掲げなければいけないのか」——このページでは、建設業許可の看板(法律上の名称は「建設業の許可票」)について、掲示義務の範囲、店舗用と現場用のサイズ、記載事項、掲げなかった場合の罰則を整理します。結論は、店舗(営業所)の標識は許可業者すべてに義務があり、工事現場の標識は発注者から直接請け負った元請業者だけに義務があるということです。

この記事の結論


  • 建設業者は、店舗と、発注者から直接請け負った建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲げなければなりません(建設業法第40条)。下請として入る現場では、現場標識の掲示義務はありません。
  • サイズは店舗用が縦35cm以上×横40cm以上(様式第28号)、現場用が縦25cm以上×横35cm以上(様式第29号)です。両者は寸法も記載欄も異なります。
  • 標識を掲げないと、10万円以下の過料の対象になります(建設業法第55条第3号)。
  • 許可の更新をすると許可年月日と許可番号の年度部分が変わるため、更新のたびに標識の書き換えが必要です。



建設業許可の看板(標識)とは|正式名称は「建設業の許可票」


現場や事務所で「金看板」「許可票」と呼ばれているものは、建設業法が定める標識です。施行規則の様式では「建設業の許可票」という表題が定められています。
標識の目的は、建設業の営業や建設工事の施工が、建設業法の許可を受けた適法な業者によって行われていることを、発注者や近隣住民などの第三者に対して外部から確認できるようにすることです。つまり標識は「飾り」ではなく、許可業者であることを公示するための法定の掲示物です。
「金看板を取る」という言い方は、建設業許可そのものを指す業界の俗称です。法律上は、許可を受けたことによって標識を掲げる義務が生じる、という関係になります。
なお、標識は許可を受けた業者が掲げるものです。許可を受けていないのに、許可業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をすることは、建設業法第40条の2により禁止されています。無許可のまま「建設業許可票」に類する掲示をすることは、この規定に触れる可能性があります。無許可営業そのもののリスクについては、建設業許可がないとどうなるかで整理しています。

標識の掲示義務がある場所|店舗は全業者、工事現場は元請のみ

建設業法第40条は、標識を掲げる場所を次のとおり定めています。

建設業者は、その店舗及び建設工事(発注者から直接請け負つたものに限る。)の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

条文の括弧書きが実務上とても重要です。掲示義務の範囲を整理すると次のようになります。

掲示場所 掲示義務がある者 使用する様式
店舗(本店・支店などの営業所) 許可を受けた建設業者すべて 様式第28号
建設工事の現場 発注者から直接請け負った業者(元請)のみ 様式第29号

店舗(営業所)の標識は許可業者すべてに義務

許可を受けた建設業者は、その店舗ごとに標識を掲げます。「店舗」とは、建設業に係る営業を行う事務所を指します。本店だけでなく、許可申請で届け出た支店・営業所にも掲示が必要です。
自宅の一部を営業所として許可を受けている場合も、営業所である以上は掲示の対象です。掲示場所は「公衆の見やすい場所」とされているため、営業所の入口付近や来客が確認できる位置に掲げるのが実務上の考え方です。営業所として認められる要件そのものは、建設業許可の営業所要件で解説しています。

工事現場の標識は「元請」だけ|令和2年10月1日からの取扱い

かつては、工事現場に掲げる標識は元請業者だけでなく下請業者も掲示する必要がありました。しかし、建設業法の改正により令和2年(2020年)10月1日から、下請業者の現場標識の掲示義務は廃止されています。現在は、発注者から直接請け負った元請業者のみが現場に標識を掲げます。
インターネット上には改正前の解説や、改正前の様式解説を掲載したままの資料が残っています。「下請でも許可票を現場に出さなければならない」と書かれた古い資料を基準に準備しないよう、注意してください。
なお、現場標識の掲示義務がなくなっても、下請業者が主任技術者を配置する義務や、施工体制台帳・施工体系図に関する元請の義務は別に残ります。標識の掲示義務と技術者配置の義務は別の話であることを混同しないでください。

標識のサイズと記載事項|店舗用(様式第28号)と現場用(様式第29号)

標識の記載事項は建設業法施行規則第25条第1項、様式は同条第2項で定められています。店舗用と現場用で記載事項の範囲が違います。

店舗用(様式第28号) 現場用(様式第29号)
大きさ 縦35cm以上 × 横40cm以上 縦25cm以上 × 横35cm以上
一般建設業又は特定建設業の別 記載する 記載する
許可年月日・許可番号・許可を受けた建設業 記載する 記載する
商号又は名称 記載する 記載する
代表者の氏名 記載する 記載する
主任技術者又は監理技術者の氏名 記載しない 記載する
その他の欄 この店舗で営業している建設業 専任の有無/資格名/資格者証交付番号

寸法は「以上」ですので、これより大きい標識は問題ありません。逆に、既製品を購入する際は、規定より小さいサイズの装飾用プレートを法定の標識と誤って使わないよう確認が必要です。

店舗用(様式第28号)で見落としやすい欄

店舗用の標識には、「許可を受けた建設業」とは別に、「この店舗で営業している建設業」という欄があります。複数業種の許可を持っていても、その営業所で営業していない業種があれば、両者の記載は一致しません。営業所ごとに営業する業種を整理してから作成してください。
また、許可番号の欄は「国土交通大臣/知事」のいずれかを選ぶ形式で、様式の記載要領で「不要のものを消すこと」と指示されています。東京都知事許可であれば「国土交通大臣」を消して使用します。知事許可と大臣許可の区分は、建設業許可の種類と区分を参照してください。

現場用(様式第29号)は技術者の情報まで記載する

現場用の標識には、店舗用の記載事項に加えて、その現場に配置した主任技術者または監理技術者の氏名を記載します。監理技術者を配置する場合は、様式の記載要領に従い「主任技術者の氏名」の欄を「監理技術者の氏名」として記載します。
「資格名」の欄は、その技術者が建設業法第7条第2号ハまたは第15条第2号イに該当する者である場合に、有する資格等を記載します。「資格者証交付番号」の欄は、専任を要する監理技術者などを置く場合に、その監理技術者の監理技術者資格者証の交付番号を記載します。
技術者としての資格要件そのものは、主任技術者になるための資格要件と実務経験で詳しく整理しています。

「専任の有無」欄の書き方|令和7年12月12日施行の兼任に対応

現場用の標識には「専任の有無」という欄があります。この欄の書き方は、技術者の兼任を認める建設業法改正(令和7年12月12日施行)を受けて、次の3通りに整理されています。

現場の状況(建設業法第26条第3項) 「専任の有無」欄の記載
専任が必要な工事で、専任の技術者を配置している(同項本文) 専任
同項第1号(情報通信技術の利用による要件)に該当し、専任としない 非専任(情報通信技術利用)
同項第2号(監理技術者を補佐する者を専任で配置)に該当し、専任としない 非専任(監理技術者を補佐する者を配置)

建設業法第26条第3項は、公共性のある施設や多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事(政令で定めるもの)について、主任技術者・監理技術者を工事現場ごとに専任とすることを原則としています。そのうえで、請負代金の額が政令の金額未満であることや、現場間の移動時間・連絡方法などの要件を満たし、必要な情報通信技術の措置が講じられている場合(第1号)、および監理技術者補佐を専任で置く場合(第2号)に、専任としない取扱いが認められます。
ここで注意したいのは、「非専任」と書ける現場は法令の要件を満たしたときだけであり、単に技術者が足りないから兼任させる、という理由では認められないことです。専任義務と兼任の要件は、現場専任とは|主任技術者・監理技術者の専任義務で詳しく解説しています。
標識の記載は、現場の実際の配置と一致していなければ意味がありません。技術者を交代したのに標識だけ前任者の氏名のままになっている、という状態は避けてください。

標識を掲げないとどうなる|10万円以下の過料と誤認表示の禁止

標識の掲示は努力義務ではありません。建設業法第55条は、次の行為に10万円以下の過料を定めています。

根拠 対象となる行為
第55条第3号 第40条の規定による標識を掲げない者
第55条第4号 第40条の2(表示の制限)の規定に違反した者
第55条第5号 第40条の3に違反して、帳簿を備えず、記載せず、虚偽記載をし、又は帳簿・図書を保存しなかった者

過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰ですが、標識の不掲示は、立入検査や指導の場面で最も外形的に指摘されやすい事項です。金額の大きさよりも、「基本的な法令遵守ができていない会社」と受け取られることのほうが、元請や発注者との関係では影響が大きくなります。

更新・変更のあとに書き換えが必要な項目

標識の記載事項は、会社の状況が変われば実態と合わなくなります。特に次の場面では書き換えが必要です。

  • 許可の更新:許可年月日は更新のたびに新しくなります。許可番号のうち「第○○号」の部分は原則として変わりませんが、括弧内の許可年度(般-7、特-7 など)は更新した年度の表記に変わります。更新後に古い許可年月日のままにしている例は少なくありません。
  • 商号・名称の変更/代表者の変更:標識の記載事項そのものが変わります。変更届の提出とあわせて標識も直します。
  • 業種追加:「許可を受けた建設業」および「この店舗で営業している建設業」の欄を見直します。
  • 一般から特定への変更:「一般建設業又は特定建設業の別」の欄が変わります。
  • 営業所の新設・移転:新しい営業所に標識を掲げます。

商号変更や代表者変更、営業所の移動は、標識の書き換えだけでなく行政庁への変更届が必要です。届出には2週間・30日・4か月といった期限が定められているものがあり、標識を直すより先に届出期限が来ます。詳しくは建設業許可の変更届出書|2週間・30日・4か月の期限と必要書類をご確認ください。更新手続そのものは建設業許可の更新申請で解説しています。

看板は自作できる?材質・掲示場所・帳簿の備付けまで

材質やデザインの決まりはあるか

法令が定めているのは、大きさ記載事項公衆の見やすい場所に掲げることです。材質、色、書体、金属製かアクリル製かといった点までは定められていません。したがって、寸法と記載事項を満たしていれば、自作した標識でも法令上は問題ありません。
ただし実務上は、次の点を考えておくと安心です。

  • 屋外に掲示する場合の耐久性:紙やインクジェット出力のままでは、退色や雨で判読できなくなります。判読できない標識は「掲げている」といえるか疑義が生じます。
  • 記載事項の修正しやすさ:更新や代表者変更のたびに全体を作り直すのか、該当欄だけ差し替えられる構造にするのかを考えておくと維持が楽になります。
  • 掲示位置:来客や第三者が確認できる位置であることが前提です。倉庫の奥や施錠された部屋の内側は「公衆の見やすい場所」とはいえません。

建設業許可以外の標識が必要な場合

建設業許可の標識とは別に、事業の内容によって掲示や表示が必要になる登録・許可があります。たとえば解体工事業の登録をしている場合は、建設リサイクル法に基づく標識の定めがあります。解体工事業登録と建設業許可の関係は、解体工事業登録の要件で整理しています。自社が受けている許可・登録ごとに、それぞれの根拠法令の掲示義務を確認してください。

標識とあわせて確認したい「帳簿の備付け・保存」

標識の掲示(第40条)と同じく、建設業者には営業所ごとの帳簿の備付け・保存が義務づけられています(第40条の3)。標識の不掲示と同じ第55条で過料の対象とされている項目です。
保存期間は施行規則第28条で定められており、帳簿および添付書類は、請け負った建設工事ごとに、目的物の引渡し(請負契約に基づく債権債務が消滅した場合はその消滅時)から5年間、発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものは10年間です。施工体制台帳等の図書は、引渡しから10年間の保存とされています。
標識は外から見えるため指摘されやすい一方、帳簿は見えないため放置されがちです。許可を維持するうえでは両方が必要です。許可取得後に継続して発生する届出・保存義務の全体像は、許可維持の年間サポートで整理しています。

東京都で許可を受けた会社が確認すること

標識の大きさ・記載事項・掲示場所は、建設業法と建設業法施行規則で定められた全国共通のルールです。東京都知事許可だから寸法が違う、東京都だけ独自の様式がある、ということはありません。
東京都で許可を受けた会社が実務として確認したいのは、次の点です。

  • 許可番号の行政庁表記:様式の「国土交通大臣/知事」欄は、東京都知事許可であれば「東京都知事」として表示し、不要な側を消します。
  • 更新時期と標識の同期:更新申請は有効期間満了日の30日前までが原則です。許可通知を受け取ったら、標識の許可年月日と許可年度の書き換えまでを一連の作業として予定に入れてください。期限が迫っている場合の対応は更新30日前を過ぎたときの緊急対応を参照してください。
  • 複数営業所の掲示漏れ:都内に複数の営業所を届け出ている場合、本店だけ掲示して支店が漏れている例があります。届出済みの営業所一覧と実際の掲示状況を突き合わせて確認します。
  • 現場が都外の場合:東京都知事許可の会社が埼玉県や神奈川県の現場を元請として施工する場合も、現場標識のルールは同じです。許可行政庁が東京都であることと、現場所在地は別の話です。東京都知事許可の範囲は東京都の建設業許可申請ガイドで解説しています。

よくある質問

Q. 建設業許可の看板を掲げないと、いくらの罰則がありますか? A. 建設業法第55条第3号により、10万円以下の過料の対象です。刑罰ではなく行政上の秩序罰ですが、立入検査や指導で外形的に指摘されやすい事項です。
Q. 下請として入る現場でも、建設業許可票を掲示しなければなりませんか? A. 必要ありません。建設業法第40条は現場標識の対象を「発注者から直接請け負つたもの」に限っており、令和2年10月1日から下請業者の現場標識の掲示義務は廃止されています。ただし、店舗(営業所)の標識は元請・下請にかかわらず必要です。
Q. 建設業許可の看板のサイズは何cmですか? A. 店舗に掲げるもの(様式第28号)は縦35cm以上×横40cm以上、工事現場に掲げるもの(様式第29号)は縦25cm以上×横35cm以上です。いずれも「以上」なので、これより大きいものは問題ありません。
Q. 看板は自分で作っても大丈夫ですか? A. 法令が定めているのは大きさ・記載事項・公衆の見やすい場所への掲示です。材質や書体の指定はないため、これらを満たせば自作でも構いません。屋外掲示の場合は、判読できる状態を保てる耐久性を確保してください。
Q. 許可を更新したら看板も作り替える必要がありますか? A. 必要です。許可年月日は更新のたびに変わり、許可番号の括弧内の許可年度(般-7 など)も更新年度の表記に変わります。「第○○号」の部分は原則変わりません。
Q. 「専任の有無」の欄には何と書けばよいですか? A. 専任の技術者を配置している場合は「専任」、建設業法第26条第3項第1号に該当する場合は「非専任(情報通信技術利用)」、同項第2号に該当する場合は「非専任(監理技術者を補佐する者を配置)」と記載します。要件を満たさないまま「非専任」と記載することはできません。
Q. 事務所は自宅ですが、それでも標識は必要ですか? A. 必要です。営業所として許可を受けている以上、店舗としての掲示義務があります。公衆の見やすい場所という要件を満たす位置に掲げてください。

標識の書き換えが必要かどうか、許可の状態から確認します

建設業許可の標識は、法令上のルール自体はシンプルです。実務で問題になるのは、標識の記載と、現在の許可内容・届出内容・現場配置がずれているケースです。更新後の許可年月日が古いまま、商号変更の変更届が未提出のまま、営業所を移転したのに標識が旧住所に残っているといった状態は、標識だけを作り直しても解決しません。
当事務所では、許可の内容、届出の提出状況、営業所の実態、技術者の配置を確認し、標識の書き換えと必要な届出をあわせて整理します。まずは無料の建設業許可・要件チェックで現状を確認し、具体的な資料がある方は相談・見積依頼フォームからお問い合わせください。


参考にした一次資料

本記事は、建設業法(令和7年12月12日施行版)および建設業法施行規則(令和8年7月1日施行版)を2026年8月12日時点で確認して作成しています。様式・寸法・記載要領・運用は改正されることがあるため、掲示物を作成する際は、その時点の最新の法令および許可行政庁の案内をご確認ください。

更新履歴

  • 2026年8月12日:公開。建設業法第40条・施行規則第25条および別記様式第28号・第29号を確認し、令和7年12月12日施行の技術者兼任に対応した「専任の有無」欄の記載方法を反映。

著者・監修

特定行政書士 萩本昌史(行政書士萩本昌史事務所/東京都世田谷区) 東京都の建設業許可について、新規申請・業種追加・更新・各種変更届・決算変更届・経営事項審査・入札参加資格申請を支援しています。許可を「取る」だけでなく、標識・帳簿・届出期限といった許可後の維持まで含めて確認します。 プロフィール:https://kensetsu-kyoka.tokyo.jp/profile/masashi-hagimoto/