一般建設業の営業所技術者|10年実務経験の証明方法を徹底解説

一般建設業の営業所技術者|10年実務経験の証明方法を徹底解説

一般建設業の営業所技術者|10年実務経験の証明方法を徹底解説 / 著者: 萩本昌史(特定行政書士)

「国家資格は持っていないけれど、長年この道一筋でやってきた。営業所技術者になれるはずだが、具体的に何を揃えればいいのか分からない」——建設業許可の新規取得を検討される事業者様から、最も多くいただくご相談のひとつです。

一般建設業許可の営業所技術者(旧:専任技術者)になる方法は複数ありますが、指定学科の卒業歴も国家資格もない場合、残された道は「10年以上の実務経験を証明する」ことだけです。この記事では、10年の実務経験で営業所技術者になるための要件・手続きの流れ・具体的な証明資料の集め方を、東京都都市整備局市街地建築部建設業課の「建設業許可(申請・変更)の手引(令和7年度)」と建設業法の条文にそって解説します。特に、前職の協力が得られない場合の対処法まで実務目線で踏み込みますので、許可取得をお考えの事業者様はぜひ最後までお読みください。


2026年8月時点で、とくに注意していただきたい3点

  1. 東京都は実務経験を「月」単位で数えます。「原則、1月1件で1か月分の経験と数え、請求書等の発行月で判断する」という運用のため、10年=120か月分の資料が必要です。在籍期間が10年あることと、120か月分の資料がそろうことは別の問題です。
  2. 令和8年7月1日から、常勤性の確認書類が変わりました。従来の健康保険証は使えず、マイナンバーカード(マイナ保険証)も確認資料の列挙から外れています。
  3. 令和7年12月12日に、改正建設業法が全面施行されました。許可の要件そのものは変わりませんが、契約実務が変わっています。

目次

  1. 1. 営業所技術者とは?令和7年2月の名称変更も解説
  2. 2. 一般建設業の営業所技術者になる4つのルート
  3. 3. 「10年の実務経験」の正しい数え方
  4. 4. 10年実務経験の証明に必要な書類一覧
  5. 5. 前職の協力が得られない場合の対処法
  6. 6. 実務経験証明書(様式第9号)の書き方と注意点
  7. 7. よくある落とし穴と失敗パターン
  8. 8. よくある質問(FAQ)

1. 営業所技術者とは?令和7年2月の名称変更も解説

営業所技術者とは、建設業許可を取得した営業所ごとに配置が義務づけられる「技術面の責任者」のことです。建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者として建設業法第7条第2号に規定されており、常勤性と専任性の両方が求められます。

「専任技術者」から「営業所技術者」への名称変更

令和7年2月1日の改正により、従来「専任技術者」と呼ばれていた者の呼称が「営業所技術者」(特定建設業では「特定営業所技術者」)に変更されました。申請様式についても令和6年12月13日から新様式になっています。東京都の令和7年度版「建設業許可(申請・変更)の手引」もこの改正を反映しているため、過去のひな形を流用する際は注意が必要です。


あわせて、令和7年12月12日には改正建設業法が全面施行され、受注者についても不当に低い請負代金・著しく短い工期による契約締結が禁止され、見積書に記載すべき事項が明記されました。許可の要件そのものは変わりませんが、契約実務が変わります。


実務上は「営業所技術者」「専任技術者」「専技」といった呼び方が混在して使われます。本記事では読みやすさを優先して「営業所技術者」に統一しますが、建設業法第7条第2号に規定される技術者要件を指している点は同じです。→ 建設業許可のよくある質問 Q12(営業所技術者等には、どんな人がなれますか)

営業所技術者の3つの要件

  • 常勤性:その営業所に毎日勤務していること。遠距離通勤で常識上通勤困難な者、他社の役員を兼ねている者は原則認められません。
  • 専任性:他の営業所や他社の技術者を兼務していないこと。複数営業所の掛け持ちは不可です。
  • 技術要件:国家資格・指定学科卒+実務経験・10年以上の実務経験のいずれかを満たすこと。

これら3つのうち、ご自身の状況に合わせて最もクリアしやすいのが「10年以上の実務経験」というルートです。

2. 一般建設業の営業所技術者になる4つのルート

建設業法第7条第2号に定められた技術要件を満たす方法は、大きく4つに分類されます。ご自身がどのルートに該当するかをまず確認しましょう。


ルート 要件 必要な実務経験年数
① 国家資格 建築士・施工管理技士など、許可業種ごとに指定された資格を保有 原則不要(一部資格は要)
② 指定学科卒(大学・高専) 建築学・土木工学など指定学科を修めて大学・高専を卒業(専門職大学の前期課程修了を含む) 3年以上
③ 指定学科卒(高校・専門学校等) 指定学科を修めて高校・中等教育学校・専門学校を卒業 5年以上(専門士・高度専門士は3年)
④ 実務経験のみ 資格・指定学科卒ともになし 10年以上

①~③のいずれかに該当する方は、短い実務経験または経験不要で営業所技術者になれます。しかし建設業界では資格取得が容易ではなく、また過去に建築学科や土木工学科を卒業していない方も多いのが実情です。その場合は④の「10年以上の実務経験」で要件を満たすことになります。


電気工事業・消防施設工事業は無資格者の実務経験では不可
建設業許可29業種のうち、電気工事業は電気工事士法、消防施設工事業は消防法に基づく資格規制があり、無資格者は工事そのものに従事できないため、実務経験のみでは営業所技術者になれない取扱いとなっています。これら2業種を狙う場合、該当する国家資格(電気工事士、消防設備士甲種等)の取得が前提となります。

3. 「10年の実務経験」の正しい数え方

10年の実務経験と一口に言っても、何がカウントされて何がカウントされないのか、正確に理解している方は意外と少ないものです。ここでは実務経験の定義と、東京都の数え方のルールを整理します。

実務経験として認められる業務

実務経験とは、許可を受けようとする建設工事に関する「技術上の経験」を指します。役職や肩書は問われず、以下はすべて実務経験としてカウントできます。

  • 現場での作業(見習い、職人として)
  • 現場監督・主任技術者としての管理業務
  • 建築士・土木設計技術者としての設計業務
  • 積算・施工図作成など技術関連業務

一方、経理・営業・総務・人事といった技術と関係のない業務は、たとえ建設会社に勤めていても実務経験として認められません。

数え方の3つの重要ルール

ルール①:1業種につき1期間しか使えない
10年の実務経験は、1業種の証明にしか使えません。例えば「令和元年から令和10年までの10年間」を内装仕上工事業の実務経験として使った場合、同じ期間を塗装工事業の実務経験として重複利用することはできません。複数業種で営業所技術者になりたい場合、原則として業種ごとに10年ずつ、合計20年以上の期間が必要になります。
建設業許可事務ガイドライン(国土交通省)


ルール②:経験は「月」単位で積み上げる
東京都は「原則、1月1件で1か月分の経験と数え、請求書等の発行月で判断する」という運用をとっています。したがって、在籍期間が10年あっても、請求書等の資料が存在しない月は経験月数に算入されません。10年=120か月について、月ごとに資料がそろうかを先に確認してください。


ルール③:常勤で勤務していた期間のみカウント
アルバイト・パート・非常勤の期間は原則としてカウントされません。厚生年金の加入記録等で「常勤性」を別途証明することが求められます。


過去に複数の会社を渡り歩いた場合でも、各在籍期間を通算して120か月以上あれば要件を満たせます。ただし各社ごとに実務経験証明書と確認資料(後述)を揃える必要があるため、会社数が多いほど準備の手間は増えます。

4. 10年実務経験の証明に必要な書類一覧

10年の実務経験を証明するには、「実務経験証明書」と「確認資料」の2系統の書類を揃える必要があります。これらは建設業法第7条第2号ロ、および建設業法施行規則第3条第2項(実務経験を証する別記様式第九号による使用者の証明書)を根拠としています。

(1) 実務経験証明書(様式第9号)

営業所技術者となる本人の実務経験を、当時の雇用主(使用者)が証明する公式書類です。以下の内容を記載します。


  • 証明される本人の氏名・生年月日
  • 使用者(当時の会社)の名称・住所
  • 職名(現場監督、職人など)
  • 実務経験の期間(年月日)
  • 従事した工事の名称(東京都では原則、1月1件)
  • 使用者の証明印(代表者の記名押印)

(2) 工事内容を裏付ける確認資料

東京都は「原則、1月1件で1か月分の経験と数え、請求書等の発行月で判断する」という運用をとっています。つまり10年=120か月について、各月に1件ずつ、請求書等と入金確認資料を1か月ずつ1セットにして、古い順に並べて提出します。1件の工期が著しく短い場合には、1か月に複数の工事経験があることが分かる資料を追加で求められることがあります。


パターン 必要書類 補足
パターンA 代表者印等のある請負契約書または注文書 押印ありの契約書・注文書があれば単体で足りる
パターンB 押印のない契約書・請書・見積書・請求書 + 入金確認資料 通帳の写しなど、代金が実際に入金された事実が必要
パターンC 建設業許可通知書の写し(在籍期間分) 勤務先が当時建設業許可を持っていた場合に限る

ここが最もつまずきやすい箇所です
「10年分の経験がある」ことと「120か月について、月ごとに1件ずつ資料がそろう」ことは同じではありません。閑散期に請求がない月があると、その月は経験月数に数えられません。資料の連続性を先に確認してから、申請時期を決めてください。工事名だけでは業種を判断できない場合は、見積書や仕様書など施工内容が分かる資料を補います。→ 建設業許可のよくある質問 Q16(10年の実務経験は、何で証明しますか)

(3) 在籍・常勤性を示す資料

上記に加え、本人が当該期間その会社に常勤で在籍していたことを示す資料が必要です。令和8年7月1日から取り扱いが変わりました。従来の健康保険証は使えず、マイナンバーカード(マイナ保険証)も確認資料の列挙から外れています。現在は下表の資料を組み合わせて提出します。


区分 提出する資料(令和8年7月1日以降)
法人 ① 申請者への所属を証明する資料(標準報酬決定通知書の写し、資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し、厚生年金保険の被保険者記録照会回答票の写し、住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)の写し、事業所名の記載がある健康保険の資格確認書の写し、直近決算の法人用確定申告書の写し等のいずれか)
② ①に生年月日の記載がない場合は、生年月日を確認できる資料も併せて提出
個人事業主 ① 他の事業者の社会保険へ加入していないことを証明する資料(直近決算の個人所得税確定申告書の写し。第一表・第二表・受信通知)
② 本人の生年月日を確認できる資料
② 生年月日の確認資料 次のいずれか
・健康保険の資格確認書の写し(有効期限以内のもの)
・運転免許証の写し(有効期限以内のもの・両面
・発行後3か月以内の住民票(個人番号および住民票コードを省略したもの・原本提出

令和8年7月1日からの常勤性確認資料の変更点
出典:東京都都市整備局市街地建築部建設業課「常勤性の確認書類の取り扱い変更お知らせ」(令和8年7月1日)。対象は常勤役員等(経管)、営業所技術者等(専技)、直接補佐者、令3条の使用人です。住民票は原本提出のため、取得から申請までの日数に余裕を持たせてください。→ 建設業許可のよくある質問 Q17(常勤性は、どうやって証明しますか)

5. 前職の協力が得られない場合の対処法

10年実務経験の証明で最も難関となるのが、「前職の会社が実務経験証明書に押印してくれない」「契約書や請求書の写しを貸してくれない」というケースです。退職時のトラブル、会社の倒産、代表者の交代など、原因は様々ですが、このような状況でも許可取得を諦める必要はありません。

対処法①:誠実な再交渉を試みる

まずは前職の会社に対し、「建設業許可取得のために協力してほしい」と改めて丁寧に依頼することが基本です。前職に損害を与えるような書類ではないこと、行政書士が間に入って手続きを進めることを説明すると、応じてくれる場合があります。依頼文書を書面で送付するのも有効です。

対処法②:行政庁が保有する情報での確認を相談する

前職の会社が本人の在籍当時に建設業許可を有しており、その情報を行政庁が保有している場合で、かつ本人が当時その会社の厚生年金に加入していたことが記録で確認できる場合には、前職の押印を求めずに取り扱われることがあります。


ただし、これは手引に制度として明記されたものではなく、窓口での事前相談による個別判断です。取扱いは申請先の行政庁によって異なりますので、資料を揃える前に行政書士または建設業課の窓口でご確認ください。

対処法③:代替資料で構成する

前職の押印も対処法②も使えない場合、以下のような代替資料を組み合わせて実務経験を疎明することを検討します。


  • 給与明細書・源泉徴収票(本人保管分)
  • 雇用保険被保険者証・離職票
  • 厚生年金の加入記録(年金事務所で取得可能)
  • 当時の同僚・上司による陳述書(補強資料として)

代替資料で実務経験を認めてもらえるかは、担当審査官との事前相談が不可欠です。書類を揃える前に、行政書士を通じて建設業課に事前確認を取ることで、手戻りを防げます。


「名義貸し」は絶対に行わないこと
営業所技術者になれる人が見つからないからといって、他人の名義を借りて申請する行為は、名義を借りた側が無許可営業として3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(建設業法第47条第1項第1号)、法人には1億円以下の罰金(同法第53条第1号)の対象となります。名義を貸した側も指示処分・営業停止処分(同法第28条)の対象となり、情状が特に重い場合は許可の取消し(同法第29条第1項第8号)に至ります。
また、許可申請書に虚偽の記載をして提出した場合は、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(同法第50条第1項第1号)。短期的な解決にもなりませんので、必ず正攻法で取り組んでください。

6. 実務経験証明書(様式第9号)の書き方と注意点

実務経験証明書は、書き方ひとつで差し戻しの対象になる重要書類です。東京都の様式に沿って、記載上のポイントを押さえておきましょう。

記載項目のポイント

① 証明者欄:在籍当時の会社(使用者)が証明者となります。法人の場合は代表者、個人事業主の場合は事業主です。証明者が本人の父親や兄弟であっても、法律上問題ありません。


② 技術者の氏名・生年月日:営業所技術者となる本人の情報を記載します。


③ 使用された期間:在籍期間を「令和◯年◯月◯日~令和◯年◯月◯日」の形式で正確に記入します。雇用保険被保険者証や厚生年金記録と整合させる必要があります。


④ 職名:「現場監督」「大工」「作業員」など、実際の職務内容に即した記載をします。


⑤ 実務経験の内容:工事名を具体的に記入します。単に「内装工事」と書くのではなく、「◯◯ビル3階内装仕上工事」のように業種が判別できる記載にします。ここが曖昧だと実務経験として認められないリスクがあります。


⑥ 実務経験年数:各工事に携わった期間を年月日で記入し、東京都の月単位の数え方で通算120か月以上になることを示します。


よくある記載ミス

  • 工事名が抽象的すぎて、申請業種との対応関係が分からない
  • 請求書等のない月を経験月数に数えてしまい、通算が120か月に足りない
  • 在職期間と厚生年金加入記録が一致していない
  • 指導監督的実務経験と通常の実務経験を混同して記載している

様式第9号は東京都都市整備局のウェブサイトからExcel・Word形式でダウンロードできます。申請様式は令和6年12月13日から新様式になっているため、古いひな形を流用しないようご注意ください。

7. よくある落とし穴と失敗パターン

10年実務経験での申請は、準備段階でつまずくケースが多くあります。行政書士の実務経験から、特に注意すべき落とし穴を3つご紹介します。

落とし穴①:資料収集にかかる時間を甘く見る

東京都の月単位の数え方では、10年=120か月分の請求書等と入金確認資料が必要です。資料の散逸、古い紙ベース資料の判読困難、前職への連絡調整など、短くても1~2か月、長いと半年以上かかるケースも珍しくありません。許可取得を急ぐなら、資料収集は今日から始めるべき作業です。

落とし穴②:工事名から業種が判別できない

審査では「この工事は本当に◯◯工事業に該当するのか」が厳しくチェックされます。例えば「◯◯様邸改修工事」という工事名だけでは、内装工事なのか大工工事なのかタイル工事なのか判別できません。当時の見積書・工事明細・施工写真などで、工事内容を具体的に示せるよう準備しておく必要があります。

落とし穴③:資格を持っているのに実務経験ルートを選んでしまう

「2級建築施工管理技士の資格があるが、自分は実務経験が長いから実務経験で申請したい」というご相談をいただくことがあります。しかし資格ルートのほうが書類も少なく、審査も短期間で済みます。資格がある場合は原則として資格ルートで申請するのが賢明です。資格と実務経験のどちらが有利かは、業種ごとに判断する必要があります。


東京都の標準処理期間は申請受付後25日ですが、10年実務経験での申請は書類が膨大になり、審査官も慎重に確認するため、これを超えて長引くことがよくあります。許可が出るまでの事業計画を立てる際は、余裕を持ったスケジューリングを心がけましょう。

8. よくある質問(FAQ)

Q.10年の実務経験は1つの業種にしか使えないのですか?
A.原則として、10年の実務経験は1業種についてのみ使用できます。例えば内装工事で10年間の実務経験を使って営業所技術者になった場合、同じ期間を別の業種(例:塗装工事)の実務経験として重複してカウントすることはできません。複数業種で営業所技術者になるには、業種ごとに原則10年ずつ、合計20年以上の実務経験が必要になります。
Q.東京都では10年の実務経験をどのように数えますか?
A.東京都は「原則、1月1件で1か月分の経験と数え、請求書等の発行月で判断する」という運用をとっています。したがって10年=120か月について、各月に1件ずつ請求書等と入金確認資料を1セットにして、古い順に並べて提出します。在籍期間が10年あっても、請求書等のない月は経験月数に算入されません。
Q.前職の会社が実務経験証明書への押印に協力してくれません。どうすればよいですか?
A.まず前職の会社に事情を丁寧に説明し、協力を求めるのが原則です。それでも難しい場合、前職が当時建設業許可を有していたことを行政庁が確認でき、かつ本人の厚生年金加入記録で在籍が確認できるときは、前職の押印を求めずに取り扱われることがあります。ただしこれは手引に明記された制度ではなく窓口での事前相談による個別判断ですので、資料を揃える前に行政書士または建設業課にご確認ください。
Q.現場作業員としての経験でも10年の実務経験として認められますか?
A.認められます。役職や肩書は問われず、見習い・職人・現場監督など、申請業種の建設工事に携わった技術上の経験はすべて実務経験としてカウントできます。ただし、経理・営業・総務など、技術以外の業務に従事していた期間は実務経験として認められません。
Q.個人事業主として10年以上工事をしてきた場合、実務経験はどのように証明しますか?
A.個人事業主の場合、自分で自分の実務経験を証明することになります。具体的には、東京都の月単位の数え方に合わせて各月1件の工事について請求書や注文書、それに対応する入金が確認できる通帳の写しなどを用意し、併せて確定申告書の控え(各年分)で事業の継続性を示します。法人勤務の方よりも必要書類が多くなる傾向があるため、早めに資料整理を始めることが重要です。
Q.電気工事業や消防施設工事業でも10年の実務経験で営業所技術者になれますか?
A.電気工事業と消防施設工事業は、無資格者の実務経験だけでは営業所技術者になれません。電気工事業は電気工事士法、消防施設工事業は消防法により無資格者が工事に従事できないためです。この2業種を取得したい場合は、該当する国家資格(電気工事士、消防設備士甲種等)の取得が前提となります。

この記事の根拠にした一次資料

このページの数値・運用は、次の資料に基づいています。掲載内容は2026年8月27日時点のものです。法令や東京都の運用は改正されますので、実際の手続の前には必ずリンク先の最新版をご確認ください。

  • 東京都都市整備局市街地建築部建設業課「建設業許可(申請・変更)の手引(令和7年度)」……実務経験の数え方(原則1月1件・請求書等の発行月で判断)、実務経験証明書(様式第9号)、確認資料、標準処理期間25日
  • 東京都都市整備局市街地建築部建設業課「常勤性の確認書類の取り扱い変更お知らせ」(令和8年7月1日)……常勤性の確認書類
  • 東京都都市整備局「建設業法の一部改正について(令和7年12月12日施行)」
  • 「建設業法」(昭和24年法律第100号)e-Gov法令検索……第7条(許可の基準・営業所技術者)、第8条(欠格要件)、第28条(指示・営業停止)、第29条(許可の取消し)、第47条(無許可営業等の罰則)、第50条(虚偽記載の罰則)、第53条(両罰規定)
  • 「建設業法施行規則」(昭和24年建設省令第14号)e-Gov法令検索……第3条第2項(実務経験を証する別記様式第九号による使用者の証明書)
  • 国土交通省「建設業の許可について(建設業許可事務ガイドライン)」
  • 「電気工事士法」(昭和35年法律第139号)/「消防法」(昭和23年法律第186号)e-Gov法令検索

当サイトの情報源の扱いと訂正の方針は一次資料・訂正方針に、執筆・監修体制は執筆・監修・更新方針に記載しています。

更新履歴

  • 2026年8月27日:東京都の実務経験の数え方を「1年につき1件以上」から、手引の運用である「原則、1月1件で1か月分の経験と数え、請求書等の発行月で判断(10年=120か月)」に修正。常勤性の確認資料を令和8年7月1日の取扱い変更(健康保険証・マイナンバーカードは不可、所属証明資料+生年月日確認資料)に更新。建設業許可の業種数を28業種から29業種に修正。名義貸しの罰則を建設業法第47条第1項第1号・第53条第1号・第28条・第29条第1項第8号にそって修正し、刑名を拘禁刑に統一。営業所技術者への名称変更を令和7年2月1日(様式は令和6年12月13日)に修正。令和7年12月12日の改正建設業法全面施行を追記。一次資料・更新履歴を新設。
  • 2026年4月20日:初版公開。


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萩本 昌史(はぎもと まさし)

特定行政書士 / 行政書士萩本昌史事務所(日本行政書士会連合会 登録番号 24080582)

東京都内で建設業許可・経営事項審査を中心に、消防法関連手続き、在留資格、会社設立などを扱う特定行政書士。建設業許可の新規取得から業種追加、決算変更届、更新申請まで、事業者様の許可ライフサイクルを一貫してサポートしている。