建設業許可の5つの要件
建設業許可を取得するには、建設業法第7条・第15条に基づく次の5つの要件をすべて満たす必要があります。特に1と2の人的要件は最重要で、ここがクリアできなければ申請は成立しません。
要件 1 経営業務の管理責任者(経管)がいること
常勤の役員等のうち1名が、建設業に関する経営経験を一定年数以上有している必要があります。原則として、建設業に関して5年以上の取締役・個人事業主・支配人等の経験が求められます。
法人の場合は常勤の取締役または執行役員、個人事業主の場合は本人または支配人が該当します。令和2年10月の改正以降、複数人の体制で要件を満たす道も開かれていますが、実務上は依然として「5年以上の役員経験者1名」で証明するケースが大半です。
要件 2 営業所技術者(専任技術者)がいること
許可を受けようとする業種ごとに、一定の資格または実務経験を持つ技術者を各営業所に専任で配置する必要があります。要件を満たす方法は次の3パターンです。
- 国家資格:1級・2級施工管理技士、建築士、電気工事士など(業種ごとに指定)
- 指定学科卒+実務経験:高校・専門学校の指定学科卒業で5年、大学の指定学科卒業で3年の実務経験
- 実務経験のみ:10年以上の実務経験
実務経験のみで証明する場合、工事請負契約書や注文書・請書等を10年分揃える必要があり、最も準備が大変なパターンです。東京都は他県に比べて証明資料の精度を厳しく審査する傾向があるため、早めの準備が重要です。
要件 3 財産的基礎を有していること
一般建設業の場合、次のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の資金調達能力があること
- 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して建設業を営んでいた実績があること
具体的には、直前決算の貸借対照表で純資産の部が500万円以上あるか、金融機関発行の500万円以上の残高証明書で証明します。新規設立法人で決算期未到来の場合は、開始貸借対照表で判断されます。
要件 4 誠実性があること
法人・役員・個人事業主等が、請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと。過去に建築士法や宅建業法等で免許取消処分を受けていないことなどが問われます。実務上ここで引っかかるケースは稀ですが、反社会的勢力との関係がないことも当然求められます。
要件 5 欠格要件に該当しないこと
法人役員・個人事業主・令3条使用人等が、次のような欠格要件に該当しないことが必要です。
- 成年被後見人・被保佐人
- 破産者で復権を得ない者
- 許可取消処分から5年を経過しない者
- 拘禁刑以上の刑の執行終了から5年を経過しない者
- 建設業法・暴力団関連法・刑法等の一定の罪で罰金刑を受け5年を経過しない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者 等
上記5要件に加えて、令和2年10月以降は「適切な社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入」も許可要件となっています。未加入のままでは許可が下りませんので、申請前に必ず加入手続きを完了させておく必要があります。
新規申請に必要な書類
東京都知事許可の新規申請では、法定様式の申請書に加えて多数の添付書類が必要になります。主なものを以下の表にまとめました。
申請書類(法定様式)
- 建設業許可申請書(様式第1号)
- 役員等の一覧表
- 営業所一覧表
- 専任技術者一覧表
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 使用人数
- 誓約書
- 経営業務の管理責任者の証明書
- 営業所技術者の証明書
- 健康保険等の加入状況(様式第20号の3)
- 財務諸表(貸借対照表・損益計算書等)
- 定款(法人の場合)
添付書類・証明書類
- 登記事項証明書(法人の場合。発行後3ヶ月以内)
- 身分証明書(本籍地の市区町村発行)※役員・令3条使用人等
- 成年被後見人・被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書(法務局発行)
- 納税証明書(法人は法人事業税、個人は個人事業税)
- 経営業務管理責任者の経験を証明する資料(登記事項証明書・確定申告書等)
- 営業所技術者の資格証・卒業証明書・実務経験証明書
- 社会保険加入を証明する資料(保険料領収書・納入告知書等)
- 営業所の所在を確認する資料(賃貸借契約書・写真等)
東京都は他県に比べて独自の書式や確認書類が多く、準備に時間がかかります。特に経営業務管理責任者や専任技術者の「経験証明」は、過去の工事請負契約書や登記事項証明書、確定申告書等の組み合わせで立証する必要があり、最も難所となる部分です。
申請の流れとスケジュール
当事務所にご依頼いただいた場合の、初回相談から許可取得までの流れは以下のとおりです。
無料相談・ヒアリング
現在の事業状況、取得したい業種、経営経験・技術者の有無などを丁寧にお聞きします。この段階で許可取得の可能性を見極めます。
要件充足の確認
5つの要件(特に経管・専技)を満たすか詳細にチェック。不足があれば補完方法をご提案します。
ご契約・お見積り
報酬額とスケジュールをご提示し、正式にご契約いただきます。
必要書類の収集・作成
登記事項証明書・納税証明書等の取得、実務経験の証明資料の整理、法定様式の作成をこちらで進めます。お客様にご用意いただく書類も最小限になるよう段取りします。
東京都庁への申請
東京都都市整備局 建設業課(都庁第二本庁舎3階)の窓口にて申請を行います。電子申請(JCIP)での申請にも対応しています。
審査・許可通知書の受領
東京都知事許可の標準処理期間は申請受付後25日(閉庁日を除く)です。審査完了後、許可通知書が営業所宛に郵送されます。
書類収集・作成に通常1〜2ヶ月、審査に約1ヶ月で、ご依頼から許可取得まで合計2〜3ヶ月が目安です。経営経験や実務経験の証明書類を遡って収集する必要がある場合は、さらに時間がかかることもあります。
申請にかかる費用
建設業許可の新規申請にかかる費用は、大きく分けて「法定手数料」と「行政書士報酬」の2つです。
法定手数料(東京都に納入)
| 申請区分 |
手数料 |
| 知事許可 新規(一般 または 特定) |
9万円 |
| 知事許可 新規(一般+特定 同時申請) |
18万円 |
| 大臣許可 新規(一般 または 特定) |
15万円(登録免許税) |
その他の実費
- 登記事項証明書(1通 600円×必要数)
- 身分証明書(1通 200〜400円×該当人数分)
- 納税証明書(1通 400円程度)
- 後見登記されていないことの証明書(1通 300円×該当人数分)
当事務所の報酬
新規許可申請の報酬額は、法人・個人、一般・特定、業種数、経管・専技の証明難易度等によって変動します。まずは無料相談にて、お客様の状況に応じた明確なお見積りをご提示いたします。
東京都知事許可で特に注意すべきポイント
東京都は建設業許可業者数が全国最多であり、それに伴い審査体制も整備されています。その一方で、他県と比較して書類の精度を厳しくチェックする傾向があります。実務上、特に注意すべき点を挙げておきます。
① 実務経験の証明書類の精度
営業所技術者を10年の実務経験で証明する場合、1ヶ月でも空白期間があると原則として認められません。工事請負契約書・注文書・請書・請求書等を月次で揃える必要があり、古い書類ほど収集が困難になります。建設業許可業者での経験であれば過去の申請書で代替できる場合もあります。
② 営業所の実体確認
建設業許可の営業所は、単なる登記上の住所ではなく「常勤性」と「実体」が求められます。東京都は所在確認のため、許可通知書を「転送不要」郵便で郵送し、万が一受け取れない場合は申請を拒否することがあります。バーチャルオフィスや自宅の一室で営業所としての実体が曖昧な場合は、事前に慎重な検討が必要です。
③ 社会保険加入の事前確認
適切な社会保険への加入が要件化されて以降、未加入のままでの申請は受理されません。法人は健康保険・厚生年金・雇用保険の3つ、個人事業主は従業員数によって必要な保険が変わります。申請前に必ず加入状況をご確認ください。
④ 令和7年12月施行の建設業法改正
令和7年12月12日施行の建設業法改正により、建設工事の請負契約の書面化ルールなどが見直されました。また、令和7年度の「建設業許可の手引」が令和7年9月に更新されており、最新の手引に基づいた申請準備が必要です。
東京都は窓口の混雑も課題となっています。特に金曜午後や月末は待ち時間が長くなる傾向があるため、行政書士が代理で申請を行うことで、お客様の時間的負担を大幅に軽減できます。
建設業許可の新規申請をご検討中の方へ
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よくある質問
Q. 建設業許可の新規申請にはどのくらい費用がかかりますか?
A.東京都知事許可(一般または特定)の新規申請の場合、法定手数料は9万円です。一般と特定を同時申請する場合は18万円となります。別途、行政書士への報酬と必要書類の取得費用(登記事項証明書、納税証明書等)がかかります。
A. 東京都知事許可の標準処理期間は申請書受付後25日(閉庁日を含まない)です。ただし事前準備(書類収集・作成)に1〜2ヶ月かかるため、ご依頼から許可取得まで合計2〜3ヶ月を見込んでおくと安心です。
元請として請け負った1件の工事について、下請に出す金額の合計が一定額以上(建築一式工事は9,000万円以上、その他は4,500万円以上)になる場合は特定建設業許可が必要です。それ未満または下請けのみの場合は一般建設業許可で足ります。
はい、個人事業主でも法人と同様に建設業許可を取得できます。5つの許可要件を満たすことが必要で、経営業務管理責任者は原則として個人事業主本人が該当します。なお、個人で取得した許可は法人化した際に引き継げないため(再度新規申請が必要)、将来法人化予定の方は最初から法人で取得することをおすすめします。
令和2年10月1日以降、適切な社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入が建設業許可の要件となりました。未加入の状態では新規許可は取得できませんので、申請前に必ず加入手続きを済ませる必要があります。
実務経験での証明は原則10年分の経験が必要で、工事請負契約書、注文書・請書、請求書等の写しで証明します。指定学科卒業者は3〜5年に短縮可能です。なお、東京都は他県に比べて審査が細かいため、証明書類の精度が特に重要になります。
当事務所のサポート内容
行政書士萩本昌史事務所では、東京都の建設業許可新規申請について、要件確認から許可取得までをワンストップでサポートいたします。
- 初回無料相談(対面・電話・オンライン)
- 5つの要件の適合診断
- 経管・専技の証明方法のアドバイス
- 必要書類の収集代行(委任状による取得)
- 申請書類一式の作成
- 東京都庁への申請代行(JCIP電子申請対応)
- 許可取得後の決算変更届・更新手続きのフォロー
- 消防施設工事業の許可取得もワンストップ対応
- 外国人技能者の在留資格相談も可能
「自社が要件を満たしているのか分からない」「証明書類をどう集めればいいのか困っている」というお悩みも、まずはお気軽にご相談ください。要件確認だけでも無料で承っております。
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特定行政書士 / 行政書士萩本昌史事務所 代表
東京都行政書士会所属。建設業許可・経営事項審査を中心に、消防法に基づく各種届出、外国人の在留資格申請まで幅広く対応。東京都庁への建設業許可申請実務に精通し、建設業者の皆様の許認可手続きを総合的にサポートしています。建設業法・消防法の最新改正にも迅速に対応し、ブログやセミナーを通じた情報発信にも積極的に取り組んでいます。